第104回全国高校野球選手権大会の組み合わせが決まった。

今大会の注目は昨秋の神宮大会、今春のセンバツを制した大阪桐蔭の動向だろう。春夏連覇を果たすかが気になるところだが、昨夏の覇者・智弁和歌山の存在も忘れてはならない。春の近畿大会では大阪桐蔭に勝利。この世代では唯一、公式戦で大阪桐蔭に土をつけたチームであり、当然、優勝候補の一校だ。

大阪桐蔭の春夏連覇か、智弁和歌山の夏連覇か――。両校の強さを解剖しつつ、大会の戦いを展望したい。

「自信のあるチーム」で勝てるとは限らない

西谷浩一監督が指揮官になってから9度目の頂点を目指す大阪桐蔭だが、大本命として大会に臨みながらも全国の頂点に立ったのは、2018年の1度しかない。

「過去予選で負けたチームの中には、もし全国に出ていたら優勝候補やったやろなというチームはいくつもあります」

西谷監督曰く、自信のあるチームで優勝したケースはそれほど多くないのだ。

西谷監督のいう「自信のあるチーム」とは個の能力が高くて、チームのまとまりにも優れているチームを意味する。実際、これまで8回優勝したうち、2018年をのぞいては、優勝した年の前年の方が期待の高いチームだったりする。

例えば、西谷体制で初載冠に輝く前年の2007年は、中田翔(巨人)、岡田雅利(西武)、1学年下に浅村栄斗(楽天)を擁しており、下馬評は高かった。しかし、センバツではベスト8に入るも、夏は大阪大会決勝で敗れた。そして翌2008年、前年より下馬評は低かったにもかかわらず、浅村を中心に抜群のまとまりを見せたチームは17年ぶりに全国の頂点に立っている。

2011年のチームも、前評判は非常に高かった。しかし、大阪大会決勝戦で石川慎吾(巨人)のいた東大阪大柏原にまさかのサヨナラ負け。当時2年生でエース格だった藤浪晋太郎(阪神)は勝ちきれず、1年生の森友哉(西武)はベンチ外だった。

しかしその悔しさを糧にした2012年は、前評判が高くなかったにもかかわらず、春のセンバツ1回戦で大谷翔平(エンゼルス)のいた花巻東に打ち勝つと、勢いに乗ってセンバツ大会を初制覇。夏も勝ち上がって頂点に立ち、春夏連覇を達成した。2014年は現コーチで、当時は主将を務めた中村誠がチームを一つにまとめての優勝で、それほど個性が際立っていたわけではなかった。