「赤井沙希と同一人物か」と思えるほどに“似ている”沙希様というレスラーがいる。東京女子プロレスの“醜い”選手たちを粛清し、美を広めるためにフランスからやってきたのだとか。
「沙希様が東京女子プロレスで試合をされるようになった頃、ほかの選手たちは記者会見にヨレヨレのTシャツを着てきたりしていたんですよ。試合当日もスッピンで来て、『お化粧するから練習する時間がない!』みたいな子も結構いて。いまはみんな綺麗にしてるんですが、たぶん沙希様はそういうのが引っ掛かったんじゃないですかね」
ヨレヨレのTシャツを着てくる選手たちを見て、人前に立つ意識の低さを感じたが、一方で彼女たちは「自信があるのかもしれない」とも思ったという。赤井は根本的に自分に自信がないため、試合や記者会見の前にばっちりメイクをすることで、「行くぞ!」というスイッチを入れる。
「世の中の美意識は二極化している」女子プロレスラー赤井沙希が思う“美しさ”とは
プロレスラーになって、“見た目”コンプレックスから解放されたという赤井沙希。今は見た目に囚われすぎることなく、美を追求しているという。後編では、彼女が普段使っているアイテムや、世の中の二極化する美意識について話してくれた。
赤井沙希インタビュー【後編】
自分に自信がないからメイクでスイッチを入れる

美を広めるためにフランスからやってきた沙希様 ©DDTプロレスリング

赤井が普段持ち歩いている化粧ポーチ
普段、どんなアイテムを使っているのか? 化粧ポーチの中身を見せてもらった。
・ファンデーション……TOM FORD シェイド アンド イルミネイト ファンデーション SPF 45 ソフト ラディアンス クッション コンパクト 2.0バフ/CHANEL ブラン コンパクト ラディアンス20ベージュ
・パウダー……innisfree ノーセバム ミネラルパウダー N
・アイシャドウ……TOM FORD 04Aサスピション
・アイライナー……Love Liner リキッド ブラウン
・ハイライト……Too Faced ダイヤモンドライト マルチユース ハイライター
・リップクリーム……LUSH HONEY TRAP
・リップ……ETUDE HOUSE ベターリップトーク ベルベットOR203
「溺愛コスメを一つ選ぶなら?」と聞くと、「ここにはないんですけど、KATEのアイブロウパレット」と答える。ノーズシャドウや陰影を描くのに便利で、長年愛用しているという。「TOM FORDとかあるのに、結局KATE!」と笑う。
内側から綺麗になりたい

「肌が荒れてたときって、菓子パンとかを好きなだけ食べていた」と話す赤井
美容で心掛けていることは、「帰宅したらすぐにメイクを落とす」「水をたくさん飲む」「枕のタオルを毎日変える」だと彼女は話す。
「水は浮腫むと思って、あんまり飲まなかったんですよ。でも水をたくさん飲むようになってから、老廃物が出るのか肌と体の調子がよくなりました。いくら外から保湿しても中が乾いていると意味ないので、お水は飲んだほうがいいです」
肌は表皮、真皮、皮下組織という三層になっているが、薬機法で「化粧品に配合された成分が働きかけるのは角質層(表皮の一番上)まで」と定められている。
「角質層って0.02mmですよ。サランラップくらいの薄さのところにしか浸透ってしない。そこで一喜一憂するんじゃなくて、内側を綺麗にしなきゃと思います。上は上で保護しつつ、いまは食べるものとか生活リズムも気をつけています。わたしは自律神経もすごく乱れやすいので」
内側から綺麗になろうと、「ゆるグルテンフリー、ゆる加工肉制限」をしている。
「完璧にやろうとすると息苦しくなっちゃうので、ゆるくやってます。小麦をなるべく意識して摂らないようにするだけで、お通じや睡眠の質がよくなりました。肌が荒れてたときって、菓子パンとかを好きなだけ食べていたんですよね」
世の中の美意識は二極化している

風を浴びて颯爽と歩く。芯の強さが赤井の魅力だ
プロレスデビューしてから、「顔のバランスとかパーツの大きさはまったく気にならなくなった」と話す赤井。メイクは好きだが、だからと言って化粧をすることが美しいとは思っていない。
「人それぞれの、そのときのライフスタイルでの、一番美しい形ってあると思うんですよ。私たちみたいな女子プロレスラーが闘うときに一番美しい形もあるし、お母さんが赤ちゃんを抱っこしていて、それがスッピンでも柔らかい母性が美しいと感じる人もいる。
わたしの中で、強いというのは美しいということ。彩羽(匠)選手とか化粧っ気がなくてもすごく素敵だし、里村(明衣子)さんとか本当に美しいと思う。強い女性は美しいです」
いま、世の中の美意識は二極化していると感じている。均一で完璧な美しさを求める人たちと、ありのままの自分を認めてほしいという人たち。赤井はあくまで「バランスが大切だと思う」と話す。
「例えば、ぽっちゃりとした体型を受け入れることもすごくいいと思います。むしろ女の子はむっちりしているほうがわたしは好き。ただ、わたしは身長があるからそれくらいのシルエットになるには100kgくらいにならなきゃいけない。その人その人の、似合うスタイルとか、一番光る体重だったり見た目だったりがあると思います」
赤井にインタビューをして、長与千種の次の言葉を思い出した。
「欠点を隠すのが化粧と違う。奇麗になるのが、化粧と違う。そのときの一番、自分らしい自分を感じるために必要ならば、化粧する。化粧って、そうゆーものよ」(『井田真木子と女子プロレスの時代』/井田真木子/イースト・プレス)
赤井沙希にとって、化粧は戦闘服。彼女はまさに「自分らしい自分を感じる」ために、これからも化粧をし続けるのだろう。
撮影/林ユバ
前編「女子プロレスラーはなぜ美しい? 「お人形さんではいられなくなった」赤井沙希が“見た目”コンプレックスから解放された理由」はこちら

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