「会食は禁止、というのは行き過ぎだと思います」

まだまだ感染拡大が止まらない新型コロナウイルスだが、以前に比べ、夜の繁華街では人の数がずいぶん多くなったように見受けられる。
折しも忘年会、新年会のシーズン。一昨年、昨年までは自粛ムード一色だったが、3年ぶりの「制限のない年末年始」とあってか、今年は数人で集まって会食をする人も多いようだ。

やはり、一年の締めくくりには仲間同士で集まって食事をしたり、お酒を飲んで楽しく過ごしたいもの。とはいえ、やはりコロナも気になる。忘年会や新年会を開催するのであれば、いったい何に注意すればいいのだろうか。

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繁華街(写真はイメージです)
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自治医科大学附属病院感染制御部長・准教授の森澤雄司医師は、次のように語る。

「第8波で流行しているウイルス株は、高齢でなく基礎疾患などがなければ、感染しても多くの方は重症化しません。ですので会食禁止というのは行き過ぎだと思います。

忘年会や新年会で集まることを考えた時、極端な話ですが、感染している人がその席にいなければ何も問題ないわけです。

ですが、PCR検査や抗原検査の陰性結果を持ち寄ったとしても、偽陰性もあり、本当に感染していないかどうかはわかりません。従って、『この人から感染してしまったのなら、それは仕方がないな』と思える人とだけで集まるべきです。それは家族や恋人であったり、普段からお互いの生活ぶりが見えている信頼関係のある人などです。

逆に会社の同僚や、取引先の相手など、『うーん、この人から感染するのはちょっと嫌だな、困るな』という人とは会食しない方がいい。これを線引きにするといいでしょう。
仕事相手や取引先の人は、知らないだけで実は何か持病があるかも知れません。そうしたプライバシーに関わることをお互い明かしてまで会食しましょう、なんてことは誰もがしたくないはずです」

北陸地方が大雪になるなど寒波が押し寄せており、鍋料理が恋しい季節でもある。
「鍋ならグツグツ煮えているので新型コロナウイルスも死滅して、感染なんかしないのでは」(20代男性・豊島区在住自営業)との声も聞こえてくるが、本当なのだろうか。

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鍋をつつく女性(写真はイメージです)