韓国女性の合計特殊出生率は0.72

韓国政府の2月末の発表では、昨年生まれた赤ちゃんは前年から7.7%減の約23万人で、8年間でほぼ半減した。人口約1億2000万人の日本の昨年の出生数は過去最少の76万人弱だが、人口(韓国は約5100万人)を考慮すれば韓国は一層深刻だ。

韓国の少子化は日本より深刻だという
韓国の少子化は日本より深刻だという
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女性1人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、韓国は昨年通年で0.72。2022年の0.78からさらに減って過去最低を更新し、昨年10~12月期は0.65にまで落ち込むなど減少に拍車がかかっている。この数字は、100組200人のカップルがもうける次の世代の子どもの数が70人程度しかいないと考えればいい。

日本も2022年に1.26まで下がり危機感が高まっているが、韓国の状況は他に例がないほど深刻で、米紙ニューヨーク・タイムズは「14世紀にペストが欧州にもたらした人口減少をしのぐ」と表現している。

「私たちの世代の女性はキャリアアップが第一の目標で、結婚や出産は二の次と考えている人が多いです。私の故郷の釜山では、結婚した同世代の友達で出産した人はほとんどおらず、みんな仕事で精一杯です」

そう語るのは、昼間は一般企業、夜は新宿・新大久保のガールズバーで働くAさん(28)。彼女は「自分もキャリアップを続けたい。仮に金持ちの男性と結婚できても、子どもを育てるためだけに人生を使いたくはない」と話す。

キャリアアップのためガールズバーで働くAさん(撮影/集英社オンライン)
キャリアアップのためガールズバーで働くAさん(撮影/集英社オンライン)

女性がキャリアを高めたいと考えるのは韓国に限らないが、韓国では大手企業に就職できても厳しい競争にさらされるのが一般的だとAさんは指摘する。

「韓国の大手企業には日本のように終身雇用が約束されている会社はほとんどなく、ずっと仕事で結果を出し続けないといけません。そうした会社に入る前にも、ひと月何万円もする塾でコツコツ勉強して受験戦争を勝ち抜き、語学力を高める必要もあり、韓国人はずっと競争を強いられるんです」