家族が服を脱ぎ散らかしてイライラ……は大きな「ずぼらカゴ」設置で解決する!
「何度言ってもリビングルームに服を脱ぎ散らかす」「余計なものが増える」など一緒に過ごすパートナーや家族の片づけについてモヤモヤすることもある。整理収納アドバイザーの米田まりな氏の『あの人にイライラするのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発!心理学的片付けメソッド32』(PHP研究所)より一部抜粋・再構成してお届けする。
服を脱ぎ散らかすパートナーにイライラ
●片づけは「複雑なタスク」
リビングは共有スペースなのに、気づいたら家族の脱いだ服が散らばっている。いつも片づけるのは自分ばかりでイライラ……。
その原因は非協力的な家族ではなく、単に「カゴ不足」かもしれません。
「男はシングルタスクが得意、女はマルチタスクが得意」という言説が、20年前に話題になりました。その真偽はさておき、最近では男女関係なく、マルチタスクの脳への弊害が注目されています。
『SINGLE TASK 一点集中術』の著者デボラ・ザック氏は「複雑な2つの作業を同時に行おうとすると、脳内で前頭前野を取り合うことになる。複数のタスク間でタスク・スイッチングを行なうことで、集中力低下・脳疲労が起こる」と論じています(※)。
片づけは意外に頭を使い、前頭前野に負荷がかかる「複雑なタスク」を伴います。
考え事をしたり、明日にそなえて脳を休めている時には、「出したら定位置に戻す」ことさえも、手間(工数)が多すぎて処理できないのです。
「平日は仕事以外、何もしたくない」という方は、意外と多いのではないでしょうか。平日は会社員として働いている私も、繁忙期になるとTシャツ1枚を畳む気力さえなくなります。
平日に服を脱ぎ散らかしている人は、仕事のパフォーマンスを高めるために、ある意味「戦略的」に脱ぎ散らかしているとも言えます。
※ デボラ・ザック著『SINGLE TASK 一点集中術』栗木さつき訳、ダイヤモンド社、2017年
頭を使わず即入れできる「ずぼらカゴ」をフル活用!
●頭を使わず、カゴに入れるだけ
私はここで、「余裕のある人が片づければいい」などと言うつもりは全くありません。
実は、ちょっとした工夫で、問題は簡単に解決するからです。
部屋の目立つ位置に、脱ぎ散らかしたい人数分の、大きな「ずぼらカゴ」を置きましょう。部屋の見た目が多少損なわれるかもしれませんが、そこは我慢です。
ずぼらカゴを置くメリットは、床やソファに脱ぎ散らかすのと同じ手間で、そこに服を収められること。帰宅し、着ているモノをポイっとカゴに入れればOK。前頭前野への負荷なく習慣化できる、単純作業です。
仕事のことで頭がいっぱいの人にとって、「モノの定位置を思い出す→引き出しを開ける→畳んで収納→引き出しを閉じる」「シミ抜きをする→洗濯ネットに入れる→洗濯機に入れる」といった段取りは面倒すぎます。
図書館の本の返却口と同じ要領で、出したモノをとりあえずカゴに放り入れておき、週末など時間のある時にリセットの作業をすれば、床に脱ぎ散らかすという今の状態と手間が変わらず、無理なく継続できます。

『あの人にイライラするのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発!心理学的片付けメソッド32』(PHP研究所)より転載
●週1〜2回、カゴの中身をリセット
また、カゴは用途別に複数あると、脳への負担をさらに減らせます。
「クリーニングに出すモノ」「外で使ったモノ」「一度着たけど洗わずにまた着たいモノ」など、混在させたくないモノごとにカゴの数を増やします。
カゴの中身は、週1〜2回のペースでリセットします。その場合は、リセット日まで入れ続けても溢れない程度の大きさのカゴを使いましょう。
カゴは、軽くて移動させやすい、蓋のないシンプルなタイプを選びます。使わない時は折り畳める不織布タイプのカゴが便利。キャスターやラックが付いたカゴは、未使用時も部屋のスペースを取るので、最初は買わないほうが無難です。
バスケット素材、除菌・掃除のしにくい素材のカゴも、引っ掛かりやすく、出し入れがしにくいという観点から避けましょう。
長く継続するためにも、作業が億劫にならないように、カゴ選びにはぜひこだわってください。
「リビングが狭くてカゴは置けない」という方も、インテリア品や書籍といった使用頻度が低いモノの場所を移動すれば、カゴ1個分のスペースは捻出できるはず。

『あの人にイライラするのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発!心理学的片付けメソッド32』(PHP研究所)より転載
床にカゴを置きすぎると、掃除機をかける際に邪魔になるので、棚の上に設置するといいでしょう。
また、家族が多い場合は、3段ボックスを活用すれば(上の図参照)、3段ボックスの上部も含めて家族4人分のカゴを、1箇所で管理することができます。
『あの人にイライラするのは、部屋のせい。 東大卒「収納コンサルタント」が開発!心理学的片付けメソッド32』(PHP研究所)
米田まりな

発売日 : 2022年11月18日
価格:1650円(税込)
単行本 : 256ページ
978-456985345
つるの剛士さん推薦!モノが原因で3人に1人が「離婚危機」!?テレビで話題の整理収納アドバイザーが、家族・夫婦の悩みを「片づけ」で解決します。
「リビングで仕事できない」「子供が片づけない」「妻の洋服が減らない」……。モノが原因でパートナーと言い争いになるケースは少なくありません。「モノが原因で3人に1人が離婚を考えた」というデータも存在します。でも、大丈夫です。価値観の相違は避けられなくても、ギクシャクした人間関係は「仕組み」で解決できます! 本書では、収納サービスの会社でデータ解析の仕事をするなかで数十万人の所有物と住まいに関する情報に向き合ってきた整理収納アドバイザーが、人間関係が好転する「片づけメソッド」を紹介。ヒアリングを通して浮かび上がった家族・夫婦の悩み32をズバッと解決します。
紹介するメソッドを行うにあたり、何かを買い足したり、自分を変えるために気合を入れたりする必要もありません。“たったワンアクションで”家庭も、仕事もうまくいく、単身者にも役立つ片づけ術をぜひお試しください
関連記事

東大卒収納コンサルトが教える、妻に絶対言ってはいけない「片づけ」に関するNGワード



実は大掃除のベストシーズン? 汚部屋を脱した作家たちが選ぶ、GWに「片付けがしたくなる本」5冊

睡眠が劇的に改善! 「40℃に15分間」「マインドフルネス入浴法」で人生が変わる理由
