#2 妻に絶対言ってはいけない「片付け」に関するNGワード

服を脱ぎ散らかすパートナーにイライラ

●片づけは「複雑なタスク」
リビングは共有スペースなのに、気づいたら家族の脱いだ服が散らばっている。いつも片づけるのは自分ばかりでイライラ……。
その原因は非協力的な家族ではなく、単に「カゴ不足」かもしれません。
「男はシングルタスクが得意、女はマルチタスクが得意」という言説が、20年前に話題になりました。その真偽はさておき、最近では男女関係なく、マルチタスクの脳への弊害が注目されています。
『SINGLE TASK 一点集中術』の著者デボラ・ザック氏は「複雑な2つの作業を同時に行おうとすると、脳内で前頭前野を取り合うことになる。複数のタスク間でタスク・スイッチングを行なうことで、集中力低下・脳疲労が起こる」と論じています(※)。

片づけは意外に頭を使い、前頭前野に負荷がかかる「複雑なタスク」を伴います。

考え事をしたり、明日にそなえて脳を休めている時には、「出したら定位置に戻す」ことさえも、手間(工数)が多すぎて処理できないのです。

「平日は仕事以外、何もしたくない」という方は、意外と多いのではないでしょうか。平日は会社員として働いている私も、繁忙期になるとTシャツ1枚を畳む気力さえなくなります。

平日に服を脱ぎ散らかしている人は、仕事のパフォーマンスを高めるために、ある意味「戦略的」に脱ぎ散らかしているとも言えます。

※ デボラ・ザック著『SINGLE TASK 一点集中術』栗木さつき訳、ダイヤモンド社、2017年