【過呼吸】
秒数をカウントしながら、 ゆっくり呼吸を 

●ストレスや運動が原因。不安を取り除いて

過呼吸は、ストレスや運動などが 原因となって、呼吸の回数が多くなることで起こります。呼吸の回数が多くなることによって、血液中の二酸化炭素濃度が低下し、カルシウム濃度が低下するため手足のしびれや筋肉のけいれんも起きます。このような症状が出ると、さらに不安感が増し、「息ができない」 「吸っても 吸っても苦しい」といった症状が悪化してしまいます。

治療としては、まずは取り除けるストレス要因は取り除き(たとえば、誰かとのけんかが原因であれば、相手といったん距離を取るなど)、落ち着いて呼吸をしてもらうことです。
自分でおなかに手を当てて、「4 秒で吸って、数秒止まり、8秒で吐く」このサイクルを一緒に時間を数 えながら行ってみましょう。5~10回程度できたら、「息ができない」という感覚は改善し始めます。
もし過呼吸になっている人を見かけたら、この呼吸法をガイドし、不安を取り除き、落ち着かせてあげるのがいいでしょう。

受診の目安
呼吸状態が改善しなかったり、精神的なストレスがなかったりする場合は、 別の病気の可能性も。 過呼吸を繰り返す場合は、 精神科や心療内科で定期的な診察を受けましょう。

□呼吸状態が改善しない
□過呼吸を何度も繰り返す
□精神的なストレスがない

『湘南ERが教える 大切な人を守る応急手当』(KADOKAWA)より抜粋
『湘南ERが教える 大切な人を守る応急手当』(KADOKAWA)より抜粋
すべての画像を見る

★教えて先生!  ER pedia
過呼吸には 紙袋がいい?


昔は、過呼吸により血中の二酸化炭素濃度が下がってしまうため、 紙袋をあてがって呼吸させるとよいとされてきました。 しかし、現在では推奨されません。 酸素欠乏になったり、余計にパニッ クを悪化させてしまうことが判明しています。