レストランなどに出掛けて食事をする「外食」と家庭内で手作りで料理を食べる「内食」、その中間に位置し、お弁当やスーパーの惣菜などを指す「中食(なかしょく)」。持ち帰って家で食べる中食産業はコロナ禍も相まってマーケットが拡大し、今後も成長が期待できる市場として注目されている。
ドンキが本気で中食産業に参入。巨大具材おにぎりに調味料が主役のメニュー…新ブランド「偏愛めし」が「ドンキ」すぎる!
日本最大級の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が、弁当・総菜の新ブランド「偏愛めし」を、11月1日(水)から全国の系列店舗にて販売する。販売に先立ち、都内にて新ブランドの発表会および試食会を開催。新規参入にかけるブランド開発担当者の思い、商品の試食リポートをお届けする。
食品大手とのタッグで誕生!
ドンキの「偏愛めし」
ニーズが高まるなか、弁当・総菜ブランド刷新に踏み切ったのがドン・キホーテだ。同社は以前から弁当・総菜を取り扱っていたが、「ドンキで弁当・総菜を取り扱っているイメージがお客さまに浸透していない」と考え、改善策を模索していたという。
そして今年3月、食品加工業大手・カネ美食品株式会社と業務提携を結び、新たな商品開発を行うための体制を整備。カネ美とのタッグにより、「みんなの75点より“誰かの120点”」というドンキイズムを体現した新弁当・総菜ブランド「偏愛めし」が誕生した。
発表イベントに登壇した服部司総菜部門開発責任者は、「万人受けをあえて考えず、誰かの“偏愛”に刺さるラインナップを追求した」と、ブランド名に恥じない開発コンセプトを熱弁。食文化の多様化を見据え、万人受けではなく顧客の根底にある“偏愛”を狙う企業戦略を明確に打ち出した。

PPIH株式会社 上席執行役員PB事業責任者 森谷健史(モリヤタケシ)氏(右) MD開発本部弁当・総菜部門開発責任者 服部司(ハットリツカサ)氏(左)
記者投票1位は堂々の「炙り鶏ハラミ」
11月1日より発売される「偏愛めし」は、「酒しか勝たん」「脇役を主役に」「白飯許さない」という3つのテーマで計10商品がラインナップ。
まず、酒の肴にぴったりすぎることを追求した「酒しか勝たん」。開発担当者行きつけの焼き鳥屋の人気メニューを商品化したという「噛むほど旨い 炙り鶏ハラミ」は、タレ2度漬け&2度焼きで凝縮された濃厚な風味が噛むほどにあふれ出す一品。味つけはパンチが効いている一方、脂肪の少ない鶏を使っているためクドさがなく、当日の記者による人気投票で1位を獲得したのも納得の逸品である。

噛むほど旨い 炙り鶏ハラミ:298円(税込322円)
「酒しか勝たん」のラインナップはいずれも268~322円(税込)とリーズナブルなので、組み合わせて食べてみるのも面白そう。「炙り鶏ハラミ」でいえば、わさび尽くしの「【R指定?】葉わさびポテトサラダ」と一緒に食べることで、濃厚&爽やかの攻防一体。宅飲みの新たな扉が開けることは必至だ。

【R指定?】葉わさびポテトサラダ:248円(税込268円)
続いて、愛すべき脇役にスポットを当てた「脇役を主役に」シリーズ。「焼き肉のタレでご飯を食べたい!」という、調味料への偏愛ぶりを余すことなく商品化した。
「西京味噌で米を食い続けるための金目鯛西京焼きおにぎり」では、西京味噌“風”ではなく、創業1830年の京都老舗店による“本物の西京味噌”を使用しているのがポイント。もちろん具材の金目鯛も入っているが、追い味噌に次ぐ追い味噌で、おにぎりのどこを食べても西京味噌が味わえる。

西京味噌で米を食い続けるための金目鯛西京焼きおにぎり:198円(税込214円)
「焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレ おにぎり(肉入り)」「ダシを活かすための親子丼」もしっかりした味つけだがあくまで主役はタレ・だしといった調味料。「偏愛めし」シリーズの中では食べきりサイズでおなかの容量にも優しく、女性にもオススメの3品といえよう。

ダシを活かすための親子丼:458円(税込495円)
食べ盛りの男子高校生も1個で満腹?
巨大具材おにぎり
そして、白飯を覆い尽くすほどの具材愛にあふれた「白飯許さない」。容器の縁まであんがかけられた天津飯、そびえたつロースなど、見た目から「これぞドンキ!」なラインナップ。

欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼:598円(税込646円)
開発担当者が「ワンハンド定食を目指した」という「はみだしすぎィな鶏つくねおにぎり」は、おにぎりから飛び出るほどの巨大な鶏つくねが具材。360度どこからかぶりついても鶏つくねが顔を出し、白飯を食べきってもまだ鶏つくねが鎮座するという、まさに終始鶏つくねの波状攻撃。
巨大なだけではなく、大きめに切られた野菜の爽やかさが感じられるのもうれしい。税込322~646円という価格帯の「白飯許さない」シリーズ、このボリュームでこの価格は、食べざかりの子供がいる家庭には魅力的に映るだろう。

はみだしすぎィな鶏つくねおにぎり:298円(税込322円)
また、開発担当者の主観にとどまらず、よりよい商品を作るために今後はユーザーによる試食会「偏愛めし会」の定期開催も予定しているという。偏愛めしファンの生の声を聞くことで商品の“とがり”が失われていないかを確認し、新たな商品開発やアップデートに活用されるそうだ。
加えて2024年1月以降、弁当やパスタ・サラダなど、さまざまな“偏愛”を追求した商品も発売予定。2023年の11月1~30日まで、PPIHグループの会員サービス「majica」アプリにて「偏愛めし」の割引クーポン配布キャンペーンも実施されるので、この機会に気になるラインナップを試してみてはいかがだろうか。

ドン・キホーテのマスコットキャラクター「ドンペン」
取材・文/結城紫雄
撮影/松木宏祐
ドン・キホーテの偏愛めし|みんなの75点より誰かの120点
11月に発売される商品一覧(一例) 全て税込価格
“酒しか勝たん”
噛むほど旨い 炙り鶏ハラミ:322円
酒放題ゆず味噌なんこつ:268円
吸ってよし食ってよし だし漬け枝豆:322円
【R指定?】葉わさび ポテトサラダ:268円
“脇役を主役に”
焼肉のタレをドバドバ染み込ませた焼肉タレおにぎり(肉入り):160円
西京味噌で米を食い続けるための金目鯛西京焼きおにぎり:214円
ダシを活かすための親子丼:495円
“白飯許さない”
はみだしすぎィな鶏つくねおにぎり:322円
欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼:646円
あんだく溺れ天津飯:430円
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