殺し屋と少女の純情を描いた名作『レオン』

「大人になっても人生はつらい?」時代を超えて共感を集める、名作映画『レオン』の人生哲学_1
『レオン』
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年末年始のまとまった時間だからこそ、「名前は知っているけどまだ見たことのない作品」を発掘するのも面白い。

筆者の生まれ年である2001年以前に公開された名作の数々をピックアップする「桂枝之進のクラシック映画噺」、今回はNetflixなどでも配信されている『レオン』(1994)をご紹介!

ニューヨークのイタリア街にあるアパートに住み、殺し屋として孤独に生きる男レオン(ジャン・レノ)。
隣の部屋に住む12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)はある日、汚職警官のスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)によって家族を殺害されてしまう。
ひとり逃れることのできたマチルダはレオンに助けを求め、大切な弟を殺された復讐を企てる。
奇妙な始まり方をした関係だったが、ふたりはやがて互いに心のやすらぎを見いだし、信頼を抱き合うようになる。

殺し屋稼業の男と家族を殺された12歳の少女、現実世界ではまず交わることがないような境遇のふたりだが、共に過ごしてゆく中で、精神年齢の高いマチルダと孤独を抱えて独りで生きるレオンは互いに影響を受けてゆく。

対照的なキャラクターだと思いきや、人生観が似ているところもある、ふたりの繊細で純粋な人間性にどんどん惹き込まれていった。