結婚や子供の誕生…といったライフイベントをきっかけに、働き方を見直すのは、もはや女性だけではなくなってきている。

3人の娘のパパとしての顔を持つ、お笑いコンビNON STYLEの石田明さんも、その1人。

2020年から「子どもと過ごしたいから」との理由で週に2日は休みをもらう働き方にシフトしたという。その理由や現在の働き方をして見えてきたことなどを聞いた。

「家族なのにゲスト枠だった」NON STYLE石田明が働き方を変えた理由_1
取材日当日、ラヴィット!にて朝8時6分からビールを飲んだ後インタビューに応じてくれた石田さん

週休2日、きっかけはコロナ禍以前の家族写真

――石田さんが、現在どのような働き方をしているのかを改めて教えてください。

今は、最低でも週2日はお休みをくださいと伝えています。実際、毎週それができているかといえば難しい週もあるのですが「いっぱい働いたな」と思ったら、いっぱい連休をもらうように調整してもらってますね。

――以前から「休みを取りたい」とは思っていたのでしょうか?

ずっと思っていました。子どもが産まれた時に1〜2週間の休みをもらったことがあったのですが、大変さを痛感したんですよね。

特に3人目が産まれるときがほんまに大変で……。奥さんが入院するタイミングで休みをもらって、双子の娘と3人で1週間過ごしたのですが、仕事と違って、家事や育児は終わりがないんだなと気づいたんです。実際、奥さんが入院から帰ってくる前にやろうと思って用意していたDIYまで全くたどりつきませんでしたもん。

その時に「(奥さんが1人で)こんなことを毎日やってんねや…」って思ったら、「もっと家のことやらなあかんな」と反省したんですよね。

「家族なのにゲスト枠だった」NON STYLE石田明が働き方を変えた理由_2

――現在の働き方に変えたのは、コロナ禍で休みをもらったことがきっかけだそうですね。

そうなんですよ。それまでは、とにかく働きまくっていて。ありがたいことに2008年にM-1で優勝する前から、大阪ではレギュラー番組も持っていたこともあって、長期の休みをもらわずに続けてきてたんですよね。

でも、コロナ禍に入って、予定していた舞台がなくなり3か月くらいスケジュールが空いたんです。その時に吉本は優しい会社だから、代わりの仕事を入れてくれようとしたのですが、僕はそれを「ちょっと待ってくれ」と止めたんです。「こんなに休んだことはないから、 1回休んでみたいです」と。

――まとまった休みを取ってみて、どう感じましたか?

すごく有意義でしたね。コロナ禍だったこともあり、遠出することもなく、ただ家族と家にいたり、近くの公園に行ったりしただけだったのですが、心が満たされていました。

その上、決定打となることがあって「これからは最低でも週2回は休みを絶対にもらおう」と決意したんです。

――決定打となる出来事とは、なんだったのでしょうか?

「家族と過ごせるって、最高やな」と思いながら、ふとコロナ禍になる前の家族写真を見返していたら、思った以上に僕が映っていなかったんですよ。

正直、連休をもらう前は「仕事をしながらも、めちゃめちゃ子どもと接している父親」だと自分のことを思っていたんですね。それは僕だけじゃなく、奥さんもそう。

でも、実態は子どもとの写真に全然映っていない。だから“子どもと触れ合ってるつもり”になっているんじゃないかと気づいたら、めちゃくちゃ怖いなと思ったんです。