『地球の歩き方ムー』のなかでもとびきり不思議な国

『地球の歩き方ムー』編集プロデューサーがおすすめの旅行先ベスト3。前回のメキシコに続き、今回はアルメニアの不思議スポットを紹介。1991年にソ連から独立したアルメニアは、国自体どこにあるのかあまり知られていないかもしれないが、伝説の舞台がリアルに息づく、世界屈指の神秘的スポットが揃っている国なのだ。

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地図の左下、ジョージアとアゼルバイジャンに隣接するアルメニア

聖書を読んだことがなくても「大洪水とノアの箱舟伝説」は聞いたことがあるという人が多いと思う。旧約聖書によると、「地上の人々の悪行を見た神が人を創造したことを後悔し、すべてを洗い流すため大洪水を起こした。しかし、神の好意を得たノアの一族と神が選んだ動物ひとつがいだけが生き残った。」という内容だ。

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大洪水とノアの箱舟(イメージ)

実在した!? 「ノアの箱舟」のかけらを発見!

このような大洪水やノアの箱舟伝説は、単なる神話や伝承ととらえられることが多いが、なんとアルメニアには、リアルな「ノアの箱舟」のかけらが展示されている場所がある。アルメニアの首都エレヴァンの西20km、アルメニア教会の総本山エチミアジンの大聖堂にある宝物館だ。

「エチミアジン」とは「神の唯一の子が降りた」という意味。聖グレゴリウスが、地上に降りたキリストが黄金の小槌で地上を打つ夢を見て、そのお告げに従いこの地に教会を建てたとか。ここは「世界最初の公式の教会」ともいわれ、世界遺産にも登録されている。

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エチミアジン大聖堂

広い敷地内の真ん中にある大聖堂の宝物館には、豪華な装飾の展示物がいくつも陳列されている。そのなかに紛れるようにガラスケース内に置かれているのが「ノアの箱舟」のかけらだ。額縁の真ん中には十字架、その後ろにある茶色い木片のようなものが、アララト山に漂着したという「ノアの箱舟」の一部だという。

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「ノアの箱舟」のかけら

正直、これが本物かはわからない。だが、世界最古のキリスト教国であり、近くにノアの箱舟が漂着したとされるアララト山がある、この国の由緒正しき教会でまじまじと眺めると、妙にリアリティを帯びてくるのだ。