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声優さん、そんなこと言って大丈夫なの…?

――アニメ化が決まったとき、どんな心境でしたか?

フォビドゥン澁川(以下、同) 正直、やめといたほうがいいんじゃ…と思ってしまいました。私はアニメ化された作家になれて得しますけど、「みんなもちゃんと得できるの?」みたいな…。「目指すはアニメ化や!」とか言えていたのは他人事というか、当事者になると思っていないから茶化せていたんですね。

©フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同
©フォビドゥン澁川/集英社・「スナックバス江」常連一同
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「100万円ほしい!」って言ってて、「じゃあ、あげるよ」って人が出てきたら「何が目的だ?」って身構えてしまう感じです。大人ならまず防御姿勢をとりますよね。

そもそもアニメ化決定って大人が会議室で話し合って決めたことなのか? キッザニアの裁判所で決めてたりしてないか? とか、これで儲かる計算ができるのは悪い大人に違いない…とか、何よりも応援してくれる読者の納得がいくアニメ化ができるのかという不安がありました。

ところが想像していたよりもかなりの力を入れてアニメ化していただけるようで、「これならみんなが得できるかも!」と思うと同時に、それはそれで何か怖いんですけど。アニメ制作陣の真の目的は一体何なんだ…と。

喜ぶにはまだ早いという姿勢を、漫画を描き始めてから受賞、読み切り、連載からアニメ化決定まで崩さずに来たので、素直に喜ぶタイミングを逃し続けている節もあります。アニメ放送日はこれ以上ないタイミングなので、ハッスルしたいですね。

©フォビドゥン澁川/集英社
©フォビドゥン澁川/集英社

――放送日が待ち遠しいです。アニメはすでにご覧になったのでしょうか。もし視聴済みでしたら感想を教えてください。

完成版はまだ観ていませんが、アフレコ現場は見学させていただきました。

見学といってもオンライン上でこっそりと、気持ち的には盗聴に近い感じで聴いていたのですが、声優さんのパワーに圧倒されっぱなしでした。スナックで客と店員が好き勝手にしゃべっているだけの原作ですが、声優さんの演技によってキャラクターに血が通うと改めて、好き勝手言っている感じがしますね。

漫画を描いていて、「こういうこと言わせて大丈夫なのか?」と不安になることもそこそこあるのですが、実際にアニメになるとやはり…そんなこと言って大丈夫なの…?と不安になりつつも共犯意識が勝手に芽生えています。実行犯には実にいい仕事をしていただいております。裁判で証言してもいいです。