稀代の漫画家、もんでんあきこによるヒット作『エロスの種子』は戦前から現代を舞台に、男と女の織りなす官能的で、ときに排他的、背徳の香りも漂うエロスの世界を描いた傑作漫画だ。
もんでんあきこならではの繊細なタッチで描かれる実に美しく官能的な女たち、情けなくも愛おしい男たちによる数々のドラマは多くの読者を魅了し、1〜7巻まで累計発行部数は180万強となっている。
【動画あり】「桜木紫乃さんの歌詞を読んだ瞬間に、あ、描けそうって」―もんでんあきこ『エロスの種子』伝説のMV、“泡姫 bubble dancer”が生まれた理由
人気漫画家・もんでんあきこによる珠玉の連作短編集『エロスの種子』第7巻が1/19(木)に発売された。実は本作には、作家・桜木紫乃の作詞とのコラボレーションによる伝説のMV、“泡姫 bubble dancer”が存在する。
伝説のMV『bubble dancer』はいかにして生まれたか
そして、この傑作『エロスの種子』においては、過去にあるコンテンツが生まれている。
それが、MV「泡姫 bubble dancer」だ。
“bubble dancer”という、キャッチーなフレーズが散りばめられたせつないヴォーカルとともに、『エロスの種子』の官能的でメロウなシーンが展開するMV。
実はこの楽曲は、もんでんの大親友でもある、同じ北海道在住の直木賞作家・桜木紫乃の詞が端となっている。
頭を休めるために、よく詞を書くという桜木紫乃が、ふと降ってきた “バブルダンサー”という言葉から1編の詞を書き、当時連載中であった漫画『ブルース』(原作/桜木紫乃・作画/もんでんあきこ)の担当編集者に「好きにして」と送ったというから、豪気だ。
その編集者がたまたまギタリストでミュージシャンでもあったことから、詞「バブルダンサー」にメロディとヴォーカルがつき、さらにそのナンバーを聴いてインスパイアされた、もんでんが連載中の『エロスの種子』で「泡姫 bubble dancer」という短編漫画を描いた(『エロスの種子』第6巻収録)。
「桜木紫乃さんの歌詞を読んだ瞬間に、あ、描けそう、短編ならって」と、もんでんは思ったのだと言う。
こうして生まれた奇跡のような楽曲と漫画を、さらなるハーモニーへと昇華させるべくできたのが、1編のMVだった。

桜木紫乃直筆の「バブルダンサー」の詞。この詞にもんでんあきこがインスパイアされ、漫画「泡姫 bubble dancer」が生まれた
集英社オンラインでは、最新刊『エロスの種子』7巻刊行を記念に、この伝説のMVを改めて公開する。
稀代の絵師でもある、もんでんあきこが描く官能的で叙情あふれるシーンの数々と、情緒豊かな桜木紫乃ならではの言葉で紡がれる歌詞が織りなす、懐かしくも色っぽい世界を堪能してほしい。
名曲「bubble dancer」のMV。©️もんでんあきこ/集英社
エロスの種子 7巻(集英社)
著者:もんでん あきこ

2023年1月19日発売
715円(税込)
192ページ
978-4088925943
心に痛みを抱えた漫画家、ちあき先生。
密かな覚悟を胸に御宿へとやってきた涼子と泰。
自らを憂い、恋愛を見つけられない夕貴。
戦時下、運命に導かれ山奥へと嫁いだサト。
あるがままの道を歩んでいた夕貴を尋ねた隼斗。
陽だまりのような家族の在り方!
珠玉の連作恋愛シリーズ、コンプリート!!
書籍画像:©もんでんあきこ/集英社
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