創業70年余で130万個以上売れた
東北一の歓楽街、仙台市国分町。キャバクラやスナックなどがひしめき合うこの街の一角に、昭和レトロな門構えの小さな店がある。ハンバーガーやサンドイッチなどを提供する「ほそやのサンド」だ。
![仙台市民に愛されて約70年、老舗ハンバーガー店が守り続けるもの_1](https://shuon.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/744mw/img_8676a47502e7ff335bc283077f2e6aa6357162.jpg)
創業は1950年。米マクドナルドが日本に初出店する20年以上も前から存在するこの店は、日本に現存する最古のハンバーガーショップと言われており、長い間、仙台市民をはじめ、多くの人たちの胃袋を満たしてきた。
看板商品の「ハンバーガー」(税込350円)だけで、一日40〜50個売れる。創業から70年余りで累計販売数は130万個以上。作り置きをせず、客からの注文が入ってからパテを一枚一枚丁寧に焼く。手間ひまかけたこその美味しさが人気の秘密だ。
「出来立てが一番美味しいからね。それを食べてもらいたい」と、2代目オーナーの細谷正弘さん(69)は話す。
さっそくハンバーガーをオーダーすると、ジューという音とともに、店内には牛肉を焼く香ばしい匂いが充満する。5、6分ほど経って、「お待たせしました」とカウンター越しにお目当てのものが出てきた。
![仙台市民に愛されて約70年、老舗ハンバーガー店が守り続けるもの_2](https://shuon.ismcdn.jp/mwimgs/2/2/744mw/img_22c7861a965a27e75ee8697348ccc654182835.jpg)
市内のパン屋に特注するバンズに、具材はハンバーグと玉ねぎのスライス、それにオリジナルのソースのみ。素朴だが、後を引く美味しさだ。
「親父の代からいろいろと試してみたけど、結局、オリジナル(ハンバーガー)が一番うまいということが分かったんです」