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沖縄米兵が少女に暴行しても「被害を受けた女が悪い」

「無思慮型親米保守」というのがある。これは「面従腹背」などという思慮が一切存在しない垂直的な親米姿勢である。アメリカに負けて悔しい、アメリカに同胞を焼き殺されて悔しい―という戦争の原体験が存在しない戦後しばらくしての「保守」に一様に見られ、とくに現在のネット右翼はほとんどこの類型に当てはまる。

よって彼らは在日米軍の存在を肯定し、沖縄の反基地運動を「反日、パヨク、中韓から金をもらってやっている反日工作員」と決めつけて呪詛する。彼らは敗戦の原体験が無いから「面従腹背」という発想すらない。

大統領予備選で「日本や韓国から(駐留負担の観点から)米軍を撤退させる」とまで公言したトランプが大統領になると、無思慮なまでにすり寄っていく。いつかはアメリカと対等な日本にする―という稀有壮大な野望さえ持っていない。アメリカに付き従っていれば日本は安泰であり、とりわけ膨張する中国人民解放軍から国土を守るためには在日米軍は絶対に必要であるという。よって沖縄の米兵が少女に暴行しても「被害を受けた女性の方が悪い。そんな時間に外を出歩いていた女性の方が悪い」などという異様な主張を展開して、アメリカや米軍を絶対的に擁護する。

ネトウヨの都合いいアメリカ観…沖縄米兵の少女暴行には「被害女性が悪い」と絶対的擁護しつつも中国・韓国に抱く憐れな憎しみ_1
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彼らは「自衛隊はいつも頑張ってくれている」と手放しで自衛隊を擁護する一方、「有事になったらアメリカ軍がいないといけない」とする。裏を返すまでもなく自衛隊は国土を守ることのできない非力な組織にすぎない、と言っているに等しく、まるで分裂している。しかし自分の理屈が矛盾しているという自覚すらない。これが「無思慮型親米保守」である。