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ビジネス 2022.12.09

賢い若者だけが気づいている 「バカが多い日本」では投票率は低ければ低いほどいいという矛盾

相次ぐ大臣の辞任、的外れな政策の影響で、11月には岸田文雄内閣の支持率は30.5%と政権発足以来最低となった。それでも現在の日本では、岸田内閣は民主的な選挙に基づいて選ばれた内閣ということになる。歴史的な低支持率が続く内閣が誕生してしまう選挙の問題点とは? 『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』(新潮社)から一部抜粋・再構成してお届けする。

  • 橘玲
  • #政治的無知
  • #岸田内閣
  • #投票率
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賢い若者だけが気づいている#8

有権者は投票に必要な
基本的な知識をもっていない

バカと無知はちがう。バカは能力の問題だが、無知は問題解決に必要な知識を欠いていることだ。あなたがどれほど賢くても無知な可能性はあるし、実際にはほとんどのことで無知だろう。

わたしたちが無知なのは、現代社会がものすごく複雑だからだ。日常のあらゆる疑問(飛行機はなぜ飛べるのか?)に対して厳密な知識を得ようと思えば、二つか三つで人生が終わってしまう。――研究者というのは、たった一つの疑問を生涯考えつづける人のことだ。

もちろん、すべてのことに無知だと生きていくことができない。そのためわたしたちは、厳しい制約(1日は24時間で、睡眠時間を除けば16時間程度しかない)のなかで、なんとか必要最低限の知識を手に入れようと四苦八苦している。

テレビやパソコンを買うときは、すべてのメーカーのモデルを詳細に比較するのではなく、知人や家電量販店の店員のアドバイス、インターネットの評判などを参考に、条件に合いそうなものを決めるだろう。ベストな選択ではないかもしれないが、大量の情報を入手・検討するコストを考えれば、ベターな選択の方がコスパがいいのだ(限定合理性)。

政治学では、有権者の「政治的無知」がずっと喉に刺さった小骨のようになっている。民主政(デモクラシー)では、公正な選挙によって国民の正当な代表が選ばれるが、あらゆる調査において、有権者は投票に必要な基本的な知識をもっていないことが明らかになっているのだ<注>。

注:イリヤ・ソミン『民主主義と政治的無知 小さな政府の方が賢い理由』森村進訳、信山社

国民の約3分の2は14ある省庁の名前を
半分も答えられない

「政治的無知」の調査はアメリカで詳細に行なわれていて、それによると、平均的なアメリカ人は大統領が誰かは知っているが、それ以外の知識はきわめて心もとない。

「経済が重要だ」という人でも、失業率や経済成長率をおおよそでも知っている割合は半分以下だ。上院と下院でどの政党が多数派なのかの正答率も5割を切っている。しかもこれは選択式の質問なので、あてずっぽうでもある程度は正解できる。それを考慮すると、基本的な政治知識をもっている有権者は(よくても)2~3割程度しかいない。

この結果を見て「アメリカ人はバカだなあ」と笑っているわけにはいかない。2014年の国際調査では、平均的な日本の回答者は、失業率を大幅に過大評価し、殺人件数が減少ではなく増加していると誤解し、移民の割合を実際より5倍も多いと信じていた。

それでも日本の成績は14か国中3位(上位はドイツとスウェーデン)で、13位のアメリカよりずっとマシだが、日本人の約3分の2は政府の14の省庁の名前を半分もあげられず、大半は自分の選挙区の国会議員立候補者についてほとんど知識をもっていない。これでは「目糞鼻糞を笑う」で、ぜんぜん自慢できることではない。

国政選挙のような大規模な投票では、一人ひとりの一票の価値はかぎりなく小さく、アメリカ大統領選では1000万分の1から10億分の1とされる(州によって異なる)。議院内閣制の日本では計算はより複雑になるが、自分の一票で候補者が当選し、その候補者の所属する政党が(連立を含めて)国会で多数を占めて政権をとる確率は、せいぜい数百万分の1だろう。これは要するに、「一票の価値はほぼゼロ」ということだ。

「投票に行く」ことの真のコストとは?

経済学が予想するように人間が合理的ならば、無価値なことのためにわざわざ投票所に行くはずはない。だが実際には、1990年までは国政選挙の投票率は7割程度を維持していたし、それ以降はかなり下がったものの、それでも有権者の半分は投票に行っている。

このことは、「合理的経済人」という経済学の前提が間違っている例としてよく挙げられるが、はたしてそうだろうか。

学校では「投票は国民の義務」と教えられ、社会人になれば(あるいは大学生でも)「選挙に行った?」と訊かれる機会は増える。民主的な社会では、「選挙に行かなければならない」という(かなり強い)同調圧力がかかっている。

もちろん、行っていないのに「行きました」と答えることはできるが、ウソをつくのは気分が悪いだろう。だったら、投票してすっきりしたいと思わないだろうか。日曜に出かけるついでに近所の投票所に立ち寄るだけなら、じつはコストはそれほど大きくない。同調圧力に対処するためにささやかな負担をする人が半分いることは、不思議でも何でもない。

だとしたら、真のコストはどこにあるのか。それは、候補者の詳細な情報を入手・検討し、誰に投票するかを決めることだ。

正しい投票のためには、自分がどのような政治を望んでいて、それに対して現状がどれほどかけ離れていて(あるいはうまくいっていて)、各候補者が掲げる政策がどのような影響を与えるのかを知る必要がある。「価値はほぼゼロ」なのに、こんな面倒なことをする人がいるだろうか(少なくとも私はやらない)。

賢い若者も政治については「合理的に無知」になる

ここから、有権者にとって合理的なのは「棄権」ではなく、「候補者について何も知らずに投票する」ことだとわかる。そのとき多くの人が使うのがショートカット(思考の近道)で、「知り合いから頼まれた」「テレビで見た」「親の代から投票する政党を決めている」などの理由があれば、候補者選びのコストは大きく下がる。現実には、このように投票する人がほとんどではないだろうか。

賢い人も、政治については「合理的に無知」になる。なぜなら、その時間をほかのこと(仕事や趣味)に使った方がずっと有意義だから。

ここまではいいとして、有権者が「合理的に無知」だとすると、選挙で正しい選択ができるのだろうか。

この難問に対して、「過去の実績を参照する」「争点を絞る」「集計の奇跡(みんなの意見は案外正しい)」などの救済案が唱えられたが、どれもうまくいくとは到底いえない。当たり前の話だが、何も知らずに適当に選んだテレビやパソコンが、自分にとって最善(に近い)などという都合のいい話があるわけがないのだ。

この懸念は、2016年のイギリスのEU離脱を決めた国民投票とトランプ大統領誕生によって現実化した。有権者の政治的無知こそが、ポピュリズムのちからの源泉なのだ。だったらどうすればいいのか。名案はないが、一つだけ確かなのは、無知な投票者が減れば、それだけ「民主的な決定」に近づくことだ。

投票率の低下が「民主主義の危機」として憂慮されている。だが有権者の大半が「合理的に無知」だとすれば、投票率は低ければ低いほどよいことになる。なぜなら、政治家・政党に投票する明確な理由がある人だけが残るのだから。

とはいえ、さまざまな調査で、自分の信念を守るために投票する人たちが一定数いることがわかっている。「コアな投票者」は右と左の極端なところに偏っているので、彼らに任せて「よりよい政治」が実現できるかは、正直、かなりこころもとないものがある。

文/橘玲

『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』(新潮社)

橘玲

賢い若者だけが気づいている 「バカが多い日本」では投票率は低ければ低いほどいいという矛盾_1

2022年10月15日

1430円(税込)

新書 288ページ

ISBN:

978-4-10-610968-3

正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だ。しかし、希望がないわけではない。一人でも多くの人が人間の本性、すなわち自分の内なる「バカと無知」に気づき、多少なりとも言動に注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるはずだ。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。

amazon
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橘玲

たちばな あきら

作家

2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。最新刊『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』(新潮新書)

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