ジュリア・ロバーツ、健在!!
ジュリアの相手役がどうしても見劣りしてしまうというのを、うまく活かしたのが本作でハリウッドに進出したリュカ・ブラヴォーだ。すでにNetflix配信の『エミリー、パリへ行く』で、そのイケメンぶりは評判になっているが、本作ではジュリアの年下の恋人役として大抜擢。ジュリアの相手としての頼りなさ、空気の読めないズレたキャラクターの面白さが、彼のイケてるルックスに反して笑いを誘い、コメディにピッタリだった。
これはアーミー・ハマーの抜けたハリウッドで今後、引っ張りだこになる予感。間もなく日本でも公開される『ミセス・ハリス、パリへ行く』にも好青年役で出演しているリュカ・ブラヴォー、注目株だ。
さて、パラダイス行きのチケット、とタイトルにあるように、本作ではバリ島のエメラルド色に輝く海や地元の文化を描くなど、コロナ禍ですっかり海外旅行が遠のいた私たちを魅了するわけだが、ここでのジュリア・ロバーツのリゾートファッションも見ものとなっている。最初に島に乗り込むシーンのブラックスーツ・スタイルでは、なびくロングヘアにグリーンのスカーフを被って、いかにも都会からやって来たセレブの旅行者という感じ。そして、島の滞在が延びてくると、いつも着ているオールインワンが、次第にショートパンツのそれになってくるのだ。
カメラが彼女の全身を捉えると、まあ、そこにはあの『プリティ・ウーマン』のままのジュリアの長い脚が! “スターの輝き未だ健在”のイメージを観た思いだった。
イラスト・文/石川三千花
『チケット・トゥ・パラダイス』(2022) Ticket to Paradise 上映時間:1時間44分/アメリカ
監督:オル・パーカー 出演:ジュリア・ロバーツ ジョージ・クルーニー ケイトリン・デバー リュカ・ブラヴォーほか
11/3より全国公開
https://ticket2paradise.jp/
デヴィッドとジョージアは20年前に離婚した、元夫婦。必要に迫られて会っても、いがみ合いばかりしている。愛娘リリーがロースクールを無事卒業し、旅行でバリ島へ飛んだ数日後、「現地の彼と結婚する」という連絡を受けた二人は急遽南国の島へ。弁護士になる将来を捨てて会ったばかりの男と結婚なんて…。自分たちが犯した過ちを繰り返して欲しくない!と、二人の結婚阻止ミッションが始動する。果たして彼らは娘の結婚を止められるのか?!