ドローも駆使する公平なジャッジ
『座王』に欠かせない存在であり、番組の盛り上げに大きく関与するのが、バトルをジャッジする審査委員長だ。放送1回につき9回の勝ち抜きバトルが行われるわけだが、審査委員長は笑いの総量やテクニックなどを判断材料に、勝敗(またはドロー)を判定していく役割を持つ。お題に沿っているとはいえ、芸人の捉え方によってはネタ同士を比較することも難しい場合がある中で、視聴者に納得感のある結論を導き出すのは至難の業と言える。
「審査委員長はね、難しいと思いますよ。これだけ芸人が出ていると、仲が良かったり、深く知る仲だったりする芸人もいるわけですから」と、千原ジュニアもその重要性を認める審査委員長を、ほんこんと共に長く務めているのがお~い!久馬だ。ザ・プラン9のリーダーとして数多くのコントを執筆している彼は、どのような基準で判定をしているのだろうか。
「お客さんがスタジオで観覧していた頃は、その笑い声を比較して審査していたんですけど、今は自分が素直に面白いなと思う方に札を上げていますね。ドローを出すこともあるんですけど、あれは苦渋の選択です。僕もたまにプレイヤーとして呼んでもらうことがあるんですけど、やっぱりドロー、嫌なんで。ドローを出しすぎても炎上しますから(笑)。それでも、“どっちもおもろいな”で拮抗するときはドローにしてしまいますね」
ザ・プラン9の活動以外にも、構成作家として、また芸人養成所であるNSCの講師としても活躍している久馬。『座王』という番組がここまで続いてきた理由を、このように分析する。
「最初は吉本の芸人だけでスタートしたのが、他事務所にも広がっていったことはひとつ理由として挙げられると思います。もうひとつは、やっぱりジュニアさんが生粋のお笑い好きというところ。あんなに笑っているジュニアさんが見られる機会も普段はなかなかないので、それも大きいと思いますよ」