カサブランカ・ダンディ 沢田研二 1979年
作詞:阿久悠
作曲:大野克夫

口に含んだウィスキーを霧のように噴き出すパフォーマンスが話題になった、沢田26thシングル。小学生だった僕は、よく水道の水で真似をしながら歌ったものだが、今思うに、小学生にはとても聴かせられないようなDV男の独白だ。なにしろ初っ端から「ききわけのない女の頬をひとつふたつはりたおして」だからな〜。1942年公開のアメリカ映画『カサブランカ』を題材にとった曲で、“ボギー”は主演したハンフリー・ボガートの愛称。

全曲取扱注意! コンプラ疲れのあなたに贈る、NG当確「顰蹙ソング」ベスト20_4

女呼んでブギ サザンオールスターズ 1978年
作詞:桑田佳祐
作曲:桑田佳祐

数多の国民的ヒットを飛ばしてきたサザンオールスターズだが、下ネタ満載のエロ曲が多いことでも知られる。ただエロいだけならまだいいが、この曲に至っては現代のジェンダー基準に当てはめれば間違いなくアウトな歌詞。一定の年齢以上の人だけのカラオケ会だったら、「女呼んでもんで抱いていい気持ち〜」と歌っても、「ああ、サザンだからしょうがない」と許されるかもしれないが、若い人にはショックが大きいのでは。

おそうじオバチャン 憂歌団 1975年
作詞:木村秀勝
作曲:憂歌団

日本を代表するブルースバンド、憂歌団のデビューシングル。特定の職業に対して差別的な内容であるため、発売早々に放送禁止処分となっている。聴き方によっては胸糞悪いただの差別ソングとしてしかとらえられないかもしれないが、在日コリアンで自身も差別を受けながら育った木村が歌う哀歌だと考えると、そう単純なものではないことがわかる。

全曲取扱注意! コンプラ疲れのあなたに贈る、NG当確「顰蹙ソング」ベスト20_5

ヴァージン・ブルース 野坂昭如 1972年
作詞:能吉利人
作曲:櫻井順

もともと作家より歌手になりたかった野坂が、作家として売れっ子になった後に自主制作盤として発表したアルバムの中の収録曲。当時、大学の学園祭の人気ゲストだった野坂は、女子大で「おま○こ」を連発するような過激トークを繰り広げた挙句、この歌を歌ったりして会場を沸かせた。こうした破天荒キャラが、熱く支持された時代もあったのだ。

全曲取扱注意! コンプラ疲れのあなたに贈る、NG当確「顰蹙ソング」ベスト20_6

国王ワノン一世の歌 RCサクセション 1972年
作詞:忌野清志郎
作曲:肝沢幅一(忌野清志郎の変名)

フォーク編成でクセの強い楽曲の数々を世に送り出していた初期RCサクセション。当時から女性ファンも多かったはずだが、「女なんてどうせどれでも同じさ 女なんてどうせくだらない奴等さ」って、こんな歌をよく歌ったものだ。初期のRCには純粋なラブソングと並び、「キミかわいいね」や「三番目に大事なもの」「大きな春子ちゃん」など女性を小馬鹿にしたような曲も多い。清志郎流の照れ隠しとジョークだったのだろう。