9か月続いたレイプ疑惑の捜査の結末

さて、警察によるエフィの告発の捜査はどうなったでしょう。

アーミー側の弁護士は「すべてはお互いの同意のもとで行われた行為。訴えを完全に否定します。強制的な要素は何もなく、大人同士の同意のもと」と反論。

2017年にレイプされたはずのエフィから、その後2020年7月頃まで、「(セックスのとき)こんなことをしてほしい」と露骨に要求するメールが届いていたと明かしました。それに対し、「はっきり言っておくけど、僕はきみが要求する関係を続ける気はまったくない」というアーミーの返事のスクリーンショットも、エフィの訴えがどれほど真実から遠いものかの証拠として提出されています。

捜査は9か月間続き、結果、アーミーの犯罪要素はすべて排除され、2021年の12月に捜査は終了。一体なんだったの?という結果でした。

ハリウッド一の愛妻家として知られていた

「君の肋骨をバーベキューにして食べたい」。セックス・スキャンダルにまみれた俳優アーミー・ハマーのキャリアは終わったのか?_3
元妻のエリザベス・チェンバースと
©HFPA

一連の騒動の前年、2020年7月に、アーミーは10年連れ添った4歳年上の妻エリザベス・チェンバースと離婚。それまでインタビューで、妻との出会いや自分から先に夢中になったことなどを延々と話し、「人生で最大の勇気を持って実行したことは、23歳で愛する人との結婚に踏み切ったこと」と言っていたことも。

超ハンサムで才能があり、愛妻家。取材相手の私にまで、何年間もクリスマスカードを送ってくれました。これほどパーフェクトな人が本当にいるのかと思っていたほど、礼儀正しく優しかったアーミー。

スキャンダルにより、予定されていた出演作品から彼の名前は消され、エージェントやPR会社は彼を見放しました。

あの笑顔は偽物で、乱暴なセックスを好んで放縦に生きたために俳優生命を絶たれたのか。それとも、売名目的の女性たちに利用され、スキャンダルの的となり、不確かな作りのドキュメンタリーも加わって完膚なきまでに叩きのめされたのか。

何が本当で何がデッチ上げなのかはもはや不明ですが、人間の摩訶不思議さに、髪の毛をかきむしっています。果たしてアーミー・ハマーのスキャンダルの真実はどこにあるのでしょうか。それが明かされる日は来るのでしょうか。


文/中島由紀子