藤田ニコルもドン引きしたのは、さだまさしのあの曲

2018年に放送された日本テレビ『月曜から夜ふかし』にて、実際に弁護士が「完全アウト」と判断した名曲もある。小田和正がリーダーとボーカルを兼ねる、オフコースの『Yes-No』だ。

“関係性が構築できていない間柄で、「君を抱いていいの」「好きになってもいいの」のフレーズを発することはセクハラに該当する”との指摘がなされた。同弁護士は、ほかにも加山雄三『お嫁においで』を紹介。「ぬれた身体で駆けてこい」の歌詞は、双方に合意が取れていない場合、パワハラにも抵触する、とも紹介。また、黒沢年男『時には娼婦のように』は、タイトルはもちろん、「淫らな女になりな」のワンフレーズが売春防止法に引っかかる、とも解説した。

そして今年5月、フジテレビ『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』にて、藤田ニコルが嫌悪感を露わにしたのは、さだまさしのヒット曲にしておなじみの『関白宣言』だ。

『セーラー服を脱がさないで』『Yes-No』『お嫁においで』…Z世代とのカラオケで避けるべき昭和の名曲_2
宣言の裏に家庭を守り抜く覚悟や優しさも歌われた曲だが……「最後まで聴けない」という声も

「お前を嫁にもらう前に言っておきたいことがある」で始まり、「いつもきれいでいろ」「めしはうまく作れ」などなど、これから家庭を築くパートナーへの要求が歌詞に並べられた本作は、結婚後、尻にしかれてなお家族に尽くす父親像を歌い上げる『関白失脚』とあわせて、名曲であるとの見方も少なくない。

しかし、家事を妻に押しつけるなど時代錯誤もはなはだしく、「俺より先に寝てはいけない 俺より後に起きてもいけない」なんて謎ルール、たとえ、竹内涼真ほどの顔面をもってしても定めることはできないだろう。「そんなこと言えるほど、稼いでいるのか」と言われておしまいだ。

そもそもパートナーのことを「お前」と呼ぶことは、元中日ドラゴンズ監督の与田剛が、応援歌の「お前が打たなきゃ誰が打つ」の「お前」部分の歌詞の変更を求めた2019年に大いに議論になったことだ。何がきっかけで炎上してしまうかわからないので、女性をお前なんて呼ばないほうが吉である。

最後まで聞けばなんだかんだいい歌詞なのだが、プロポーズ代わりに選曲してしまえば、破談は間違いなし。家事育児は分業を約束したうえで、「結婚させていただく」気持ちを忘れずに。