奨学金では払えない入学前の費用

おおよそ大学に必要な学費を知ったら、次は「いつまで」に「いくら」の資金を準備するのかを考えましょう。一つの目安は高校3年生、つまり「17歳」に「学費の3分の2程度」です。

なぜ高校3年生なのかというと、大学に支払う入学金や大学1年生の前期の授業料などは入学前の高校3年生時に支払う必要があるからです。

受験方法によって学費の支払時期は異なりますが、最も早いのは総合型選抜(旧AO入試)です。実施時期が早い学校では夏頃から始まり、秋頃には結果が出ているケースもあります。そして、合格通知と一緒に学費の支払い通知が届き、おおよそ2週間以内に入学金を支払います。

学校によっては入学金と一緒に大学1年生の前期授業料を振り込むケースもありますので、早い人だと高校3年生の秋頃には80万円近い支払いが発生することになります。

ですので、大学生になるタイミングではなく高校3年生になる頃にある程度のまとまった資金を用意しておく必要があります。学資保険で17歳満期があるのもこのためですね。

また大学受験には検定料なども必要となります。日本学生生協の「2021年度保護者に聞く新入生調査」にある「入学までにかかった費用・私立」では自宅から通う学生でも合計で180万円ほど必要となっています。この金額には検定料や学校納付金だけではなく、教科書代なども含まれています。

奨学金を利用しようと考えている人も注意が必要です。奨学金は大学生になってから最後の手続きをし、その後貸し付けが始まりますので一般的には大学1年生の5月頃から利用可能となります。つまり、高校3年生時に発生する費用は全て奨学金では払えないため、事前準備が必要となるのです。