自分の身を自分で守る3日分の備蓄を

「日本人は災害時でも甘えないで我慢しがち」防災士・紗栄子が訴える、備蓄と助け合いの重要性_01

2010年、地元・宮崎県で起きた家畜伝染病・口蹄疫の発生をきっかけに、社会支援活動をスタートさせた紗栄子さん。個人的に支援金や物資の寄付を続けてきたが、よりスピード感を持って支援をするために、2019年に完全非営利の一般社団法人「Think The DAY」を設立。災害が発生する前の備えに重きをおいた“予防支援団体”として、災害が発生したその日からの被災地支援を目指している。

「通常、支援の第一アクションは何かことが起きてから。そこから支援金を募って、どこにどう振り分けていくかという作業になります。けれどそれではタイムラグが起きてしまいますし、本当に困っている人たちにオンタイムで支援できない。そのもどかしさは、個人的な支援活動をしているときにすごく感じていました。そこで『Think The DAY』では、賛同いただいたみなさんから先に支援金を集めて物資を備蓄しておき、災害が起きたその日から、必要なものを必要な人のところへ迅速に届ける仕組みづくりに取り組んでいます」

それでも、災害の種類や規模によっては、すぐに行政や自衛隊、民間の支援が届かない場合もある。

「日本人は災害時でも甘えないで我慢しがち」防災士・紗栄子が訴える、備蓄と助け合いの重要性_02
2019年の千葉台風15号が起きた際、紗栄子さんが個人のSNSアカウントで支援を呼びかけると、4tトラック16台分の物資が2日で集まった。このことをきっかけに、「Think The DAY」を設立することを決意

「たとえば台風など被害が広範囲にわたった場合や、行政も自衛隊もまかないきれない規模の災害が起きた場合、そして見つけてもらいにくい場所の場合などは、支援が遅れてしまいます。なので、まずは自分の身を自分で守る個人の備蓄はとても大切です。

通常、自衛隊の救助や支援物資が届くのは、災害発生から3日程度と言われています。もちろん、それ以上あることに越したことはありませんが、3日分をめどに、家族の生活がまかなえる物資を備蓄しておいてください」