試合に出る条件は「出たい気持ち」ともう1つ
国内で王者となり、世界最高峰のUFCでも3年半にわたり戦ってきた。キャリア・実績とも十分なベテランであり、ジムを持つ身ともなった今、おいそれと試合に応じられない状況もある。
「やっぱりキャリアを重ねて自分も強くなれば相手も強くなっていって、試合のダメージも深くなっていくので、そういう消耗している部分を考えなくはないです。キャリアの序盤はほとんど試合でダメージはなかったですけど、UFCに出て強い相手とやるとやっぱり網膜剥離や眼窩底骨折をやったりしましたから」(K太郎)
「国内でやっていた時とは心構えとか緊張感は違ったんじゃないですかね」(杉山)
K太郎は現在38歳、昨年9月の柔術黒帯昇格時には「MMAはやっぱりダメージがあって、おじさんになってもできるもんじゃないと思っています。今後はむしろ柔術に出ていきたいですね」と口にしていた。
MMA出場の条件は、「試合に出たいっていう自分の気持ちと、ファイトマネーの話ですよね。そこをこだわらなければ、試合自体は割とすぐできるんじゃないかと思います。ですけど、別にそんな妥協してまで出るものでもないし、タイミングがよければ」という。
ファイターはゲームのようにリセットボタン一つで容易に回復できるものではないし、毎回多大な危険に身をさらして戦っている。杉山もまた、妻や母としての日々を送りながらリングに上がる。