「多重役割葛藤」を理解できると、信頼関係が生まれる
ここで、現代のリーダーとして、ぜひ知っておいて欲しい問題を紹介します。
リモートでの働き方が増えることで、「多重役割葛藤」という問題が深刻になっているのです。
たとえば、「Web会議の最中に、急に子どもが乱入してきて、一緒に遊んで欲しいとねだり、やがて泣き出してしまう。本人は、気まずそうに苦笑いしている」などという光景に出会ったことはありませんか。このようなとき、本人の心の奥では、「多重役割葛藤」が起きているのです。
家にはいるけれど、仕事は一生懸命頑張りたい。しかし、子どもとも遊んであげたいし、食事もきちんとつくってあげたい。どちらも満足のいくようにできていない。
このような葛藤が生じ、時には、罪悪感さえ感じているのです。
今までは、出社することで家庭と職場が分離していました。働いている時間は、家の中の出来事や状態が見えません。それが、テレワークにより、仕事空間と生活空間の区別が曖昧になり、「職業人」としての自分と「家庭人」としての自分が同時に同じ空間に存在する。「ワーク」と「ライフ」との境界が曖昧になることで、互いの役割に矛盾が生じるのです。
人には「わかって欲しい」という欲求があります。リーダーであるあなたは、メンバーが抱えている苦しさに、気がついているでしょうか?
リーダーがメンバーの多様な役割を知り、抱えている想いを理解したうえで、遠慮ではなく配慮をしたマネジメントができたら、強い信頼関係が生まれます。
強い会社には、メンバーの気持ちがわかるリーダーが必要なのです。
「社員の主体性の有無が、『オフィスの床』を見るとわかる理由」 記事はこちら