熱中症にかかるのは3つの要因が重なるとき

熱中症は、ただ気温が高いから発症するわけでなく、実はさまざまな要因があります。主に「環境・からだ・行動」の3つの要因が重なることで引き起こされるのです。

まずは「環境」です。
・日射しが強い
・急激に気温が上がり暑くなる
・気温はそれほど高くなくても湿度が高い
・風通しが悪い
・照り返しの強いコンクリートに囲まれた場所にいる
・エアコンや風の通りが悪い締め切った室内
などは熱中症が起こりやすい条件になります。

今年は、6月末に早々と梅雨明けして急激に暑くなりました。熱中症にならないようにするためには体を暑さに慣らしていかないといけないのに、急に猛暑となったため、体が暑さに対応できず、熱中症で病院に運ばれる人が多くなりました。
暑さに慣れるには1〜2週間ほど必要と言われているので、今年のように急に暑くなるシーズンは特に注意が必要です。

また、気温は高くなくても湿度が高い日は要注意です。
体は汗をかいて、体温を調節しようとしますが、湿度が高いと汗が蒸発しにくいため外に熱を放出することができなくなり、体内に熱がこもり、熱中症のリスクが高まります。
梅雨の時期や曇りの日など、気温が25度くらいでもムシムシする日は気をつけましょう。

熱中症にかかる条件は暑さだけではない!注意すべき3つの要因_2
屋内でも風通しが悪いと熱中症リスクは高まる
すべての画像を見る

次に「からだ」です。
・寝不足など不規則な生活が続いている
・食事をしっかり摂れていない
・二日酔い
・下痢での脱水状態
・糖尿病、高血圧などの持病がある

こういった体の状態だと汗をかきにくく、皮膚から逃げる熱が少ないため熱中症のリスクが高まります。

また、高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくかったり、乳幼児は自分で体温調節ができなかったりなどで熱中症のリスクが高い傾向にあります。

3つ目は「行動」です。
・炎天下の中で激しいスポーツや仕事をする
・長時間屋外で作業している
・行動が制限されていて水分補給できない

暑さの中、体温が上がる行動をすれば当然、汗をかき、体内の水分や電解質が失われることにより、血液の流れが悪くなり、臓器に障害が起こるきっかけになります。

また、式典やスポーツ中に熱中症になるのは、その時間帯に行動が制限されて自由に水分を補給できないからです。

熱中症はこれらの3つの条件が重なって、引き起こされます。
暑さだけでなく、自分の体の状態やどんな行動をしたかによっても熱中症のリスクが高まるので、普段から十分に気をつけましょう。

取材/百田なつき

熱中症対策のために知っておきたいこと #2 はこちら
熱中症対策のために知っておきたいこと #3 はこちら