日本中から嫌われる役のはずが
〝松本劇場〟として人気に

――『やんごとなき一族』の美保子役が、連日ネットを賑わせましたが、ご本人はそんな状況をどんなふうに見てましたか?
まさか、こんなことになるとは…と、びっくりしてました(笑)。「美保子」については、日本中から嫌われるくらいのヒール(悪役)になろうと思って演じていたんです。土屋太鳳ちゃんが演じた「佐都」が正義だとすると、「美保子」はそれをブチ壊す役。だから、とにかくイヤな女性になろうと思っていたのに、なぜか愛されキャラになってしまったという(笑)。

松本劇場〟の次は、復讐に燃える妖艶な未亡人。松本若菜が語る「今」。_1

――毎回の歌や、「たけのこニョッキ」で佐都をいじめるシーンが話題になりましたね。
「たけのこニョッキ」は、台本を読んだとき「えっ」と思いましたが、実は「美保子」も庶民の出だったという伏線だったんですよ! セレブはそんな遊びは知らないはず、という。他にも、巻き舌でまくしたてるとか、序盤から秘かに育ちを臭わせているんです。わかりにくかったかもしれませんけど(笑)。私はまだ15年しかキャリアがないけれど、監督や共演者の方々と一緒に、真剣に遊んで作りあげていったキャラクターがそんなふうに育っていくというのは、初めての経験。私にとって、ある意味特別な役柄になったので、最終話を見終わったときは寂しかったですね。

――作品が終わるときは、いつも寂しい?
はい。特に、今回のようにレギュラーでワンクール参加させていただくと、寂しさもひとしおです。どんなに素晴らしいチームでも、ひとりも欠けずにまた集まることは不可能ですから。とはいえ、引きずっているわけにはいかないので、今は「美保子」というキャラクターを自分から抜く、デトックス中です!