第1位:『海底47m』(2017年)
総合的な完成度では『ロスト・バケーション』に軍配が上がるだろうが、あくまで“怖さ”で順位付けを行うならば、この『海底47m』を第1位の座に推挙したい。
「ケージ・ダイビング中の事故で、檻に閉じ込められたまま海底に沈んでしまった」姉妹を描くソリッド・シチュエーション・スリラー。ただでさえ暗く、身動きの取れない海の底は薄気味悪いというのに、闇の中から突然襲いかかってくる人食いザメはインパクト大。
それのみならず“酸素切れ”という残酷な制限時間や、能力的には一般人の域を出ない主人公姉妹のキャラクターが合わさり、鑑賞中は常にどうしようもない焦りと息苦しさを覚えることだろう。底意地の悪いクライマックスも忘れ難いもの。最初から最後までしっかり怖く、そしておもしろいサメ映画である。
ちなみに『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(2019年)という、アドベンチャー要素がやや強めの続編も存在する。時間に余裕があるならば、立て続けに2本観るのもいいだろう。
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以上が、「冷や冷やゾクゾクする」サメ映画ランキングである。当然異論もあるだろうが、なるべく大勢の方に楽しんでいただけそうなサメ映画、興味を持っていただけそうなサメ映画に絞って紹介したつもりだ。
特に『ロスト・バケーション』と『海底47m』は世間的な評価もかなり高いため、まずはここらを取っかかりとして、知れば知るほどどうしようもないサメ映画沼にズブズブとハマっていただきたい。