約3年前のダンス動画がなぜ今、批判の的に?
「副大臣、俺と踊ってください!」
そんなタイトルの動画が、農林水産省の公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」に公開されている。
動画が投稿されたのは2023年11月25日。約3年前のものだ。
出演しているのは、当時の鈴木憲和農林水産副大臣ら。職員と政治家がダンスを通じて親しみやすさを演出するという、通常の省庁広報とはひと味違う内容になっている。
動画を制作したのは、農水省の動物医薬品検査所、通称「ヤッケン」の職員らが取り組む「ヤッケン発見」というシリーズだ。あまり知られていない組織の存在や業務を紹介することを目的としている。
農水省の公式サイトにも掲載されており、決して非公式の「おふざけ動画」というわけではない。しかし、この約3年前の動画に、今になってSNSでは辛辣な声が上がっている。
「こういうところから税金無駄に使ってる」
「なにこれ 納税者をバカにするために作ってるの?」
「親しみというよりイラッとするわ」
「真面目に行くべき「場面」とふざけていい「場面」をごっちゃにして」
農林水産省が同YouTubeチャンネルを始めたのは2020年1月。農水省の職員が自ら出演し、農林水産業や食文化などの魅力を伝えることを目的としている。
これまでも職員の日常をユーモラスに紹介したり、音楽やバラエティーの手法を取り入れたりするなど、従来の「お役所らしさ」にとらわれない発信を続けてきた。つまり、今回の動画だけが突然、異質な企画として登場したわけではないのである。では、なぜ約3年前の動画が、いま再び注目されているのか。
SNSでは、過去の動画や写真が数年後に掘り起こされ、その時々の社会情勢や行政への評価と重ね合わせて見られることがある。今回の動画も、公開当時とは違った文脈で受け止められている可能性がある。
ただ、今回の批判が現在の政治状況や出来事をきっかけに広がったとまでは言えない。それでも、数年前の行政広報が突然、現在の話題として再び評価されるのは、SNS時代ならではの現象だろう。
一度公開した動画は、そのときだけ見られて終わるとは限らない。数年後に再び掘り起こされ、改めて批判や支持の対象になることもある。
今回の再拡散は、行政のSNS発信が、公開後も長く「政府の発信」として残り続けることを改めて示している。













