より公正な世界に向けたマレーシアと日本の役割

多様な人々が共存するマレーシアの経験は、より公正な世界をめざすために活用できると思います。マレーシアには、異なる人種や宗教を持つ人々が共存しています。こうした違いがあるにもかかわらず、私たちは内部の対立を解決するために暴力に訴えることはありません。

暴力に頼ることなく解決策を見出すことは、十分に可能です。交渉もできますし、仲裁も可能ですし、法廷に訴えることもできます。

マレーシアは実際に国際関係においてもそうしてきました。ある島の領有権をめぐってシンガポールと問題が生じた際には、国際司法裁判所(ICJ)に提訴しました。

インドネシアとの間で領有権の問題があった際も、国際司法裁判所に提訴し、同裁判所が問題を解決しました。そして、戦争がなかったため、誰も命を落とすことはなく、損害も生じませんでした。

あらゆる紛争を平和的な手段で解決することは十分に可能なのです。交渉の過程で目的を達成できず、敗北する可能性はあるかもしれませんが、戦争でも敗北することはあります。

戦争では多くの人々が命を落とし、甚大な損害が生じますが、平和的な手段で問題を解決すれば、誰の命も奪われることなく、国に損害を与えることもありません。

トランプは自分こそ平和の立役者だと主張していますが、彼にはそれは間違いだと伝えなければなりません。彼は平和を実現したと主張していますが、ガザでは完全に失敗しています。

ウクライナとロシアの戦争に関しても失敗しています。いくつかのより小さな国々では戦争が起きており、そうした国々に対しては戦争をやめなければ関税率についての交渉をしない、と脅すことができます。けれどもこれは、平和を勧めるというよりも脅迫しているに過ぎないのです。

トランプ大統領 写真/Shutterstock
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レバノン、シリア、イランのような地域の戦争においても、トランプは平和を実現できていません。ですから、私たちはトランプに面と向かって「あなたは平和のために働く人物ではない」と伝えなければなりません。

彼は世界の経済秩序を混乱させた張本人であり、その結果、今や多くの人々が失業や生活費の高騰、貿易の混乱といった問題に苦しめられているのです。