日本はすでに自国を守るだけの軍事力を備えている
被爆国としての日本の経験もまた、より公正な世界のために活かすことができると思います。日本国憲法における規定はユニークです。
憲法の規定により、日本はいかなる紛争においても、他国に対して侵略戦争に訴えることはありません。これは非常に優れた憲法規定であり、世界中のすべての国の憲法に盛り込まれるべきだと思います。
そうすれば、世界中のすべての国が、国家間の問題を解決するために戦争を視野に入れたり、戦争に訴えたりすることがなくなり、平和的な解決手段を採るようになるはずです。
もちろん防衛は認められていますが、もし国が防衛の準備をする必要があるとしても、それは防衛のためだけであり、侵略戦争のためではありません。つまり、すべての国が日本と同様に侵略戦争を拒否する条項を持っていれば、侵略は起こらないということです。
日本は防衛的な軍事力を持つことはできますが、攻撃的なものであってはなりません。ですから、たとえ中国が優れた兵器を開発したとしても、日本は中国を攻撃するために軍事力を増強すべきではありません。
日本を守るためだけに軍事力を持つべきなのですが、私は日本はすでにどの国から攻撃されても自国を守るだけの軍事力を備えていると思います。
ムスリムと非ムスリムの双方が、より良く公正な世界を築くためには、共存を可能にするイスラームの知恵が活用できるでしょう。イスラームでは、挨拶をするとき、相手の平和を祈る言葉をかけて互いに挨拶を交わします。
イスラームとは平和を促進する教えなのです。もちろん、ムスリムの中にはイスラームの教えを誤って解釈し、紛争を解決するために暴力や戦争に訴える人々もいます。
けれども、それはイスラームの教えるものではありません。もし私たちがイスラームの教えに従うならば、紛争や問題の解決にあたっては平和的な手段を貫くことになるでしょう。イスラームとは平和を意味するものであり、暴力を伴わない解決策こそがイスラームの道なのです。
著者/マハティール・モハマド 編・訳/久志本 裕子













