経済的理由から実家を出られない若者たち
さらに住宅費の負担感についても質問していますが、その結果は衝撃的です。住宅費について「かなり負担を感じている」33.5%と、「やや負担を感じている」41.9%と合わせると、負担を感じている人の割合は何と75.4%となります。未婚者の一人暮らしで78.4%、既婚者に限るとその割合は83.9%にも達します。中間層を含む低・中所得層の若者の大半が、住宅費について負担を感じていることが分かります。
26年調査では親と同居している人に、その理由も聞いています。親の家に住んでいる理由を10項目から複数回答で選んでもらったところ、「独立した場合の住居費の負担の重さ」が32.3%と全体のトップになりました。2番目の理由は「炊事・洗濯などの家事の負担の軽さ」29.7%ですが、3番目は「住居費以外の費用負担の軽さ」25.3%で、やはり経済的理由が大きいことが分かります。
では、若者は親との同居をどう思っているのでしょう? 親と同居している人に「親の家を出たいかどうか」を質問したところ、「親から独立して暮らしたい」が16.7%、「どちらかといえば独立したい」は22.4%で、合わせると「独立したい」が39.1%と約4割に達しています。一方、「同居を続けたい」との回答は25.9%で、「独立したい」若者の割合が「同居を続けたい」割合を上回っていました。すべての若者が親との同居に納得しているのではなさそうです。
さらに「親の家を出たい」若者の割合を暮らしの状況別に見ると、「大変苦しい」と答えた人が54.5%、「やや苦しい」が46.9%と、「普通」31.3%や「ゆとりがある」32.5%と答えた人たちを大きく上回っています。この結果から、実家から「離家」(=親元を離れて別世帯で暮らす)したいと思っても、経済的理由からそれができない若者が多数存在することが見てとれます。
これらの調査結果を分析する際に、先ほど紹介したビッグイシュー基金の14年調査の結果を参照すると、若者にとっての住宅問題の深刻さがより深く見えてきます。14年調査では、親同居の割合が77.4%におよび、およそ4人に3人が親と同居している状況が明らかになりました。その理由を尋ねると、「親の家を出ても、住居費を自分で負担できない」の回答率が53.7%と最も高くなっており、年収200万円未満の低所得の若者にとって、住宅費を負担することの困難が「離家」できない理由として明確に示されました。
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未婚者で個人年収500万円未満と、既婚者で世帯年収700万円未満までの若者を対象とした26年調査では、親同居の割合は全体で38.4%と14年調査の77.4%よりもかなり低い数値となっています。調査対象を中間的な収入層まで拡大したことによる、平均所得の差から考えれば妥当な結果でしょう。
しかし未婚者に対象を絞ると、親同居の割合が47.3%にまで上昇する点は見逃せません。しかも理由のトップは、「独立した場合の住居費の負担の重さ」ですから、この点では14年調査における親同居の若者たちと同様の状況と言えます。
26年調査において、一人暮らしや親からの独立など「離家」している若者の割合は、14年調査よりも高くなっています。しかし、住宅費の割合はいずれも月収の4分の1を上回っています。そして住宅費の重さに負担を感じている割合は75%以上と、若者の大半を占めています。26年調査において、「離家」している若者の圧倒的多数は、住宅費の高さに苦しんでいることは間違いありません。これは彼らが「ハウジングプア=住まいの貧困」の状況に置かれていることを意味します。














