翌日には「持ち込み禁止」の掲示、大会側は一部について謝罪

さらに翌26日、岡崎中央総合公園野球場で行われたチャイニーズ・タイペイ対日本戦では、別の問題も起きた。

CNAによると、会場入口には中華民国国旗と旭日旗の画像を掲げ、「持ち込み禁止」であることを示す案内が掲出された。翌27日のチャイニーズ・タイペイ対中国戦では、この掲示は撤去されたという。

そして28日、大会組織委員会は公式サイトで「野球競技会場における不適切な掲示についてのお詫び」を発表した。

組織委員会が誤りを認めたのは旭日旗についてだ。

旭日旗(写真/shutterstock)
旭日旗(写真/shutterstock)
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大会側は、旭日旗について「持ち込み禁止の対象ではない」としたうえで、掲示は「現場の誤った認識」によるものだったと説明。観客に不快な思いを抱かせたとして謝罪し、全競技会場への周知を徹底するとした。

一方、この発表では、中華民国国旗の扱いや、前日に起きた「Taiwan」タオルへの対応が適切だったのかについては触れていない。

そのため、一連の出来事をひとまとめにして、

「大会が台湾を排除した」「観客側が大会ルールに違反した」と断定するのは慎重であるべきだが、現時点で確認できるのは、大会にはチャイニーズ・タイペイという名称で参加する枠組みがあり、組織委員会が「参加していない国・地域の旗」を制限していることだ。

そして一方で、「Taiwan」と書かれたタオルまでを政治的主張として制止する根拠は、一般向けに公開された規則からは明確に読み取れないということだ。

さらに、別件とはいえ、旭日旗の扱いについては、現場の判断に誤りがあったことを組織委員会自身が認めている。国際スポーツ大会には、さまざまな政治的、歴史的背景を持つ国や地域から選手や観客が集まる。

だからこそ、運営側には慎重な対応が求められる。

政治的主張を競技会場から切り離すためにルールを設けることと、観客が自分の応援するチームや地域を示す表現をどこまで認めるか。

その境界が曖昧なままでは、現場スタッフにも観客にも混乱が生じる。

「Taiwan」と書かれた一枚のタオルをめぐる出来事が突きつけたのは、台湾と中国の関係そのものだけではない。

国際大会において、政治的表現と純粋な応援の境界を誰が、どの基準で判断するのか。

今回の一件は、その難しさをあらためて浮き彫りにした。

取材・文/集英社オンライン編集部