大会規則には「政治的主張」の禁止も…ただし「Taiwan」の明記はなし

愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会は9月3日、公式サイトで「会場内での禁止行為」を公表している。

そのなかには、「参加していない国の国旗を掲げること」が禁止行為として明記されている。

台湾国旗(写真/shutterstock)
台湾国旗(写真/shutterstock)

また、1メートル×2メートル以上の旗や横断幕などを掲げる行為も禁止されており、違反した場合には退場を求める場合があるとしている。英語版ではより明確に、「大会に参加していないcountry or region(国または地域)の旗」と記されている。

今回の大会で台湾の選手団は、「Chinese Taipei(チャイニーズ・タイペイ)」の名称で参加している。大会公式サイトの参加NOC一覧にも「Chinese Taipei」と記載されている。こうした国際スポーツ独自の枠組みを背景に、旗の扱いに一定の制限が設けられていること自体は、大会前から公表されていた。

一方で、25日にCNAが報じたケースで掲げられていたのは、国旗ではなく「Taiwan」と書かれたタオルだった。

少なくとも大会公式サイトで一般の観客向けに公表されている主な禁止行為を見る限り、「Taiwan」という文字そのものを掲げることを禁止するとの記載は確認できない。

つまり、

「参加していない国・地域の旗を掲げてはいけない」

というルールと、

「Taiwanという文字が入った応援グッズを掲げてはいけない」

という判断との間には、少なくとも公開されている説明だけでは埋まらない部分がある。もちろん、大会の現場では公表ページだけではなく、より詳細な運営基準が存在する可能性もある。

しかし、観客から見れば、事前に示されたルールから「Taiwan」と書かれたタオルまで制止対象になることを予測するのは容易ではない。今回の騒動が大きくなった理由のひとつは、まさにこの「ルールの見え方」と「現場での運用」の差にあったと考えられる。