「女性として」ではなく「人として」求められるようになった
周りの先輩達から「50代は変化のとき」とは聞いていたけど、ここ数年は本当にいろんなことがものすごい勢いで変わったよね。
恋愛に関する意識もまた同じで……。
先日、『踊る!さんま御殿‼︎』で舘ひろしさんと共演したんですけど。
「以前、大久保さんとラジオで共演したときにすごく良い印象を抱かれたみたいで。大久保さんを是非、という声が館さんからも上がったんですよ」なんて、嘘か本当かわからないけど、スタッフさんが嬉しいことを言ってくれたり。
男性俳優さんが対談の相手に私を指名してくれたり。
最近は、「女性として」ではなく「人間として」私のことを「面白い」と思って選んでくれたんだろうなって感じることがよくあって。
なんか、今までとは全然違うモテ方をしている気がするんだよね。
この間も、小木さんがYouTubeチャンネル『おぎやはぎトラベル』で声をかけてくれてねぇ。
まあ、それは「小木さんならいいか」と断ったんですけど(笑)。
「女性」としては今も昔もモテないし、ちっとも求められないんだけど、仕事上ではそんなふうに「あなたが必要です」と私を求めてくれる、それが今はすごく嬉しかったりするんだよね。
55歳、恋愛の戦場を自ら退いたつもりはないけれど、今の自分が恋愛することはもはやファンタジーにしか思えないくらいリアルじゃなくなっているのがリアル。
なのに、ポッドキャスト『大久保佳代子とらぶぶらLOVE』では、他人の恋愛や不倫の相談ばかり受けているっていう。
たいした経験値もないのに。
そういえば、相談される機会が増えたのも、この2年の大きな変化かもしれない。
最近はいろんなところで本当にやたらと悩み相談を受けていてね。
それもまあ、「人として」求められているってことなのかもしれないけど。
それはそれで嬉しいことなのかもしれないけど。
この間はついに街で出会った人たちの悩みを片っぱしから聞いていく『大久保佳代子のさすらいの人生相談』なるBS番組までやってしまったりして。
でも、これが結構楽しかったんだよね。
やっぱり、父の死を経験したのが大きいのかな。
介護士さんや看護師さんをはじめ、父の周りにいた人達には本当に感謝しかなかったし。
介護をサポートしてくれた地元の同級生もまた同じ。
たくさんの人と関わり、たくさんの優しさや思いやりを知りながら、それぞれの人生にも触れることができたというか。
父の生き様もだし、周りの人の人生もだし、誰しもがいろんな思いを抱えながら生きていることを痛感して、より他人の思いに寄り添うことができるようになっているのを感じているというか。
もうね、街にいるおじいちゃんおばあちゃんの話とか永遠に聞くことができますからね、私(笑)。
「そうなんだ、そんなことがあったんだ、すごいね、大変だったね、ここまで一生懸命に生きてきたんだね、この先も長生きしてね」って。
聞き手・構成/石井美輪 題字・イラスト/中村桃子 撮影/露木聡子













