“中古品”がポジティブな印象に変わってきた

その背景を探るうえで、まず押さえておきたいのが、リユース市場そのものの拡大だ。

2000年の創刊以来、中古品市場やリユース企業を取材してきた業界専門紙「リユース経済新聞」の浜田里奈編集長はこう語る。

「国内のリユース市場は2025年に約3.5兆円となり、16年連続で拡大しています。物価高で新品の価格が上がるなか、中古品を積極的に選ぶ人も増えています」

新品の値上がりで割安な中古品を求める人が増える一方、不要品を売って家計の足しにする動きも広がり、需要と供給の双方から市場を押し上げている。

ネットと実店舗の双方で取引が活発になり、国内のリユース市場は16年連続で拡大している。※写真はイメージです(写真/Adobe Stock)
ネットと実店舗の双方で取引が活発になり、国内のリユース市場は16年連続で拡大している。※写真はイメージです(写真/Adobe Stock)

物価高は、リユース市場にとって追い風になっている。ただ、浜田氏はそれだけが理由ではないと指摘する。以前から、中古品に対する消費者の意識が変わってきたからだという。

「以前は、中古品というと『節約のために仕方なく選ぶもの』というイメージが強かったと思います。それがいまは、中古品を選ぶことが、合理的で賢い消費として受け入れられるように変わってきているんです」

とりわけ若い世代は、幼い頃から環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)について学んできた影響もあって、中古品への抵抗感が薄いという一面もある。

「若い人にとっては、古いものや一点物が『かっこいい』『エモい』ものになっています。古着やレコードを『ディグる』という言葉がありますが、人と同じものではなく、自分で掘り出し物を探すこと自体が楽しみになっている。中古品に対する価値観は、以前とはかなり変わっています」

古着やレコードなど、若い人にとって中古品はもはや「安いから買うもの」ではなくなっている。※写真はイメージです(写真/AdobeStock)
古着やレコードなど、若い人にとって中古品はもはや「安いから買うもの」ではなくなっている。※写真はイメージです(写真/AdobeStock)

つまり、物価高になってから突然、中古品が選ばれ始めたわけではないということ。以前から進んでいた意識の変化を新品価格の上昇がさらに後押ししたのだ。