ステージ4でも前を向ける理由
──元旦那さんは人間ができた方ですね。
そう思います。
私は昔から「好きな人を誰かひとりに絞らないといけない」という考え方がよくわかりませんでした。「みんな好き、でいいじゃん」と思っていたんです。
たとえば最初の旦那はスウェーデン人ですが、彼とはいまだに仲がいいですし、彼がのちに再婚した奥様ともとても仲が良いくらいです。嫌いで別れるのではなく、前向きな離婚がいいなと思います。人類愛が強いのかもしれません。
──アイルランド人の彼と一緒にいることで感じる魅力は?
これまで知らなかった世界、見えなかったものを見せてくれるところでしょうか。たとえば今年5月には、母と妹とともにアフリカ旅行に招待してもらいました。
ボツワナ共和国では、動物園でしか見たことがないような獣がそこらじゅうにいました。ライオンがキリンを食べていたり、象が闊歩していたり……。ステージ4と診断されて、どこかで諦めていた景色を見せてくれる彼は私にとってかけがえのない存在なのだと思います。
──大病されていることを忘れかけるほどのバイタリティに脱帽です。最後に、今後の展望を聞かせてください。
もちろん、私だって暗い気持ちになることはあります。5年生存率などの数値を調べては、「治療から2年くらい生きたから、もうどのくらい生きられるのかなぁ」と考えてしまうことも避けられないですよね。
あるいは、同じ病気の人のSNSをフォローして、亡くなったという報告があがっていることにショックを受けたり、更新されていないことにやきもきしたりもします。
ただ、ありがたいことに私には、「そのままを受け入れる」と言ってくれる人がいます。がんになってしまったことは辛いですが、さまざまな巡り合わせによって出会えたからこそ、これまでのことを肯定できると思うんです。
少しでも長く生きて、長く一緒にいることが、今の私の生きる意味かもしれません。
取材・文/黒島暁生 写真提供/Nanami













