「泳ぎに自信がある人でも、離岸流には逆らえない」

今回、4人が沖へ流された原因が離岸流だったかどうかは、現時点では明らかになっていない。ただ、現場付近は離岸流が発生する可能性のある海域とも報じられている。

海での水難事故を考えるうえで、まず知っておきたいのが、この「離岸流」だ。

離岸流とは、海岸に打ち寄せた海水が沖へ戻る際に生じる、岸から沖に向かう強い流れのこと。海上保安庁によると、幅は10〜30メートルほどで、場所によっては流れの速さが秒速2メートル程度に達することもあるという。

しかも厄介なのは、岸から海を眺めただけでは、その危険性に気づきにくいことだ。

海では「泳げるから大丈夫」という感覚をいったん捨てる必要があると、ライフセーバー歴25年の40代元消防士は話す。

「海で怖いのは、見た目がそれほど荒れていなくても流れがあることです。特に離岸流は岸から沖へ向かうので、一生懸命泳ぐと流れに逆らい続けることになります。『泳いでも泳いでも岸に近づかない』と感じると、人は焦ります。さらに泳ぎに自信がある人ほど、『自力で戻れる』と思って頑張りすぎてしまう。

離岸流に流されたと感じたら、まず慌てないこと。岸に向かって一直線に泳ぎ続けるのではなく、海岸線と平行に泳いで流れから外れる。泳ぐのが難しい場合は、無理に体力を使わず、浮いて救助を待つことも大切です」

離岸流(写真/shutterstock)
離岸流(写真/shutterstock)
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海上保安庁なども、離岸流に巻き込まれた場合には、流れに逆らって岸へ戻ろうとせず、海岸と平行に泳いで流れから抜けることを呼びかけている。

そして、流されている人を見つけた側にも注意が必要だ。

「友人が流されれば、すぐ泳いで追いかけたくなると思います。でも、その人が離岸流に巻き込まれているなら、助けに行った人まで同じ流れに入る可能性があります。

まず周囲に助けを求めて、海なら118番に通報する。浮くものがあれば投げ渡す。自分まで要救助者にならないことが大切です」(前同)

海では、自分の泳力を上回る流れが存在することを知っておく必要があるが、より強く訴えるのは、流された後の対処だけではない。

そもそも、事故が起きやすい場所に近づかないこと。では、海や川で「危ない場所」はどう見分ければいいのか。