返礼品を競うこと自体は「問題ではない」
泉佐野市が挙げたのは、返礼品の内容そのものではなく、他自治体との連携だった。
「係争に至る経過の中で『多くの自治体との連携』が極めて重要であると実感しました」
当時、ふるさと納税に積極的に取り組む自治体は現在ほど多くなく、「本市が何を訴えても大きな反響は得られませんでした」という。
そこで現在は、全国の自治体担当者や地方議会からの視察を積極的に受け入れ、市が蓄積したノウハウを共有している。
泉佐野市によれば、ここ数年は毎年60を超える団体の視察を受け入れているという。そうした経験が、現在の自治体間の連携強化につながっているというわけだ。
では、6年ぶりに全国1位となった泉佐野市は、現在のふるさと納税をどう見ているのか。
ふるさと納税には「応援したい自治体を選んで寄附する」という理念がある一方、現実には肉や魚、家電、日用品など、返礼品の魅力や“お得感”が寄附先を左右するケースも少なくない。
自治体間の返礼品競争が制度をゆがめているとの批判も根強い。
この点について、泉佐野市はまず、現在は返礼品そのものが制度上認められ、寄附額の3割以下、地場産品であることなどのルールが設けられていると指摘する。
そのうえで重視するのが、「皆でルールを守る」という考え方だ。
「業務のすべてを委託事業者等に任せきりにするのではなく、自治体自身が主体となって、ルールに沿った返礼品であるかをしっかりと判断することが不可欠です」
競争をなくすのではなく、各自治体がルールの中で競争する。これが泉佐野市の基本姿勢だ。
さらに市は、返礼品にかかる費用についても、単純な「経費」と見るべきではないと主張する。
「自治体にとっては返礼品やそれに付随する費用こそが地域へ還流される大切な要素です」
返礼品を製造する地域の事業者に発注が生まれれば、寄附金の一部が地域経済に戻っていく。
「返礼品の魅力が寄附のきっかけ(入口)となること自体は問題ではなく、重要なのはその後の寄附者様との関係性を構築し、関係人口や交流人口の創出へとつなげていくこと」
だとしている。
泉佐野市の考え方を整理すれば、「返礼品目当てで寄附すること」を否定するのではなく、それを地域との接点をつくる入口として活用できるかが重要だということになる。













