高市氏には「そもそも離れにくい支持者」がいる

〈高市政権の支持率が過去最低〉安倍晋三と思想は似ても“支持のされ方”は別物…無党派「80%→49%」で見えた決定的な違い_6

安倍氏には「離れても戻る支持者」がいた。その点、高市氏には「そもそも離れにくい支持者」がいる。この違いは、高市政権の弱さではない。選挙ではむしろ強さになる。

高市氏の課題は、支持率を発足時の水準まで戻すことではない。

86%の土台を壊さず、選挙の瞬間に49%の外側をどこまで取り戻すかである。物価高への不満が強いなら、選挙前に生活へ直接届く政策を出す。その政策に説得力があれば、離れた無党派を再び引き寄せられる。

そこへ熱量の高い支持層の動員力と交流サイト上の拡散力が重なる。安倍氏は広く支持を取り、その一部が離れては戻った。高市氏は中心を固く残しながら、外周が大きく伸び縮みする。

安倍晋三元首相と同じ勝ち方ではない。だが高市早苗首相には、高市早苗首相なりの選挙の勝ち方が見え始めている。

支持率という一枚の写真だけを見て、政権の体力を測る時代は、もう終わったのかもしれない。数字が下がっても揺らがない中心と、いざという時に一気に広がる外周。

高市政権を読むには、平時の世論調査ではなく、選挙という一日の設計図を見なければならない。安倍政治とは異なる物差しが、いま静かに求められている。

文/小倉健一 写真/shutterstock