維新との“蜜月”が内閣改造の火種に

結局、それ以上の会期延長をすることのないまま、副首都構想関連法案は与党の賛成多数で参院でも可決した。副首都構想関連法案も、衆院議員定数削減法案も、自民党と日本維新の会との連立合意政策の一部だ。しかし、自民党内では、必ずしも多くの賛同を得ているわけではなかった。なぜ高市総理はここまでこだわったのか。

「高市総理は昨年の自民党総裁選で勝利した後、公明党の連立離脱があって、総理就任が一時危ぶまれた。高市総理としては、そんな窮地を連立入りという形で救ってくれ、自身を総理にしてくれたのが維新です。その義理を返したいという想いがあったのでしょう」(自民党副大臣経験者)

高市政権との距離を縮める日本維新の会・吉村洋文代表。維新議員の入閣をめぐり、自民党内では不安が広がっている(写真/本人Facebookより)
高市政権との距離を縮める日本維新の会・吉村洋文代表。維新議員の入閣をめぐり、自民党内では不安が広がっている(写真/本人Facebookより)
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高市総理と維新幹部の相性も悪くなさそうだ。今年4月の自民党大会の会場で、高市総理は吉村氏に「歯の浮いたようなセリフでいい。お世辞でもいいから。私をほめちぎって」と冗談交じりに要求。吉村氏が「分かりました。今から早急に組み立てます」と返答すると、高市総理は「組み立てとらんのか~い」と上機嫌でツッコミをいれていた。

しかし、こうした維新との「蜜月」を、自民党内では懸念する声は少なくない。

「維新は与党の一員という自覚がない。副首都構想関連法についても自民党は汗をかいたが、当の維新議員は、街頭演説で『我々の仲間が法案提出者としてさまざまな批判や誹謗中傷に耐えながら、審議に臨んでいる』と他党を攻撃する始末。法案を丁寧に説明して、野党の理解を得るという謙虚な姿勢が全くない。

こうした人たちが、内閣改造で、閣僚や政務三役入りしたら、完全に野党から突き上げられるでしょう。そもそも維新は不祥事の多さで知られています。正直言って、身体検査をして、入閣できる人材がいるのかどうかも疑問です」(自民党ベテラン議員)

与野党の対立が激化する中、副首都関連法の成立にこぎつけた高市総理。だが、国民の支持や、自民党内の求心力に「陰り」が見え始めているのも確かだ。

取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班