「いくつもの対策案を行政は早急に行なうべき」
東京博善は1921年に設立された。国が火葬場の経営主体を自治体と定める前に実績があったことから制限を受けなかったという。
東京博善をめぐっては、「一方的な値上げを行ってきた」と指摘する業界関係者もいる。同社は2021年1月に1万6千円の値上げを行なった。当時、もっとも利用されているプランの金額は7万5千円にのぼった。
前出の関係者は、「新型コロナ禍での値上げで、経済的に苦しい人も多いなか、この値上げはおかしい」と主張する。そのうえで、「公共事業を任せられるとは到底言えない。もともと2011年までは5万円前後で東京博善も料金を設定していたところ、2021年から6万円、2021年に7万円超えと、どんどん値上げをしているのです」と続けた。
さらに同社は火葬料のほかに、22年から燃料費特別付加火葬料(サーチャージ)を採り入れた。料金は変動価格になり、8万円台に上った。現在は、9万円と固定価格になっている。
さらに東京博善は、骨つぼの持ち込みを断り、用意した骨つぼを購入させていたことから、全東京葬祭業協同組合連合会は2020年、公正取引委員会に調査の申し入れをしている。また、連合会として、東京博善の料金値上げなどについての陳述書を区に提出しているものの、大きな動きはない。
「料金を下げるため、行政は公営の火葬場を作ることや東京博善の株式を取得するなど、いくつもの対策案を早急に行うべきです。高齢化社会の中で、これからますます火葬場の需要が高まっていくなか、このまま値上げをさせてはいけません」(同前)
東京博善は2020年、印刷業の広済堂の完全子会社となった。また、免税店を運営するラオックスホールディングスの羅怡文会長が22年、広済堂HDの会長に就任した。インターネット上では、「中国資本が広済堂HDに入っているから火葬料が高くなる」などと批判的な意見も飛び交っている。













