瀕死の石破政権を誰が支えるのか
ただ、幹事長を交代する場合、後任を誰にするかという問題が持ち上がる。
選挙期間中から名前が挙がっていたのは、総裁選で石破首相と決選投票を争った高市早苗氏だ。
永田町関係者は「幹事長に高市氏を起用すれば、石破政権になって離れていった保守層を繋ぎ止めることができるほか、高市氏を中心に『石破おろし』の動きが広がるのを防ぐことができる」と狙いを語る。
ただ、石破首相と高市氏では政策の方向性に大きな違いがあるため、二人三脚で仕事をしていくのは上手くいかないとみられるほか、自民党内や党と政府の調整役を担う幹事長職は高市氏にとって不向きなのではないかという声もある。
そして何より、今のタイミングで石破首相を支える幹事長になるというのはリスクが大きいため、「そもそも高市氏は打診されても受けないのではないか」(自民党関係者)という見方も強い。
瀕死の石破政権をいったい誰が支えるのか。幹事長交代となった場合、その人事は難航する恐れもある。
自公が過半数割れとなるなか、これからは衆議院で法案を通すにも、予算案を通すにも、一部の野党からの協力が必要となる。
安定的な過半数を得るために、連立の枠組み拡大も視野に入るが、泥船の石破政権に完全に乗っかろうとする野党は今のところ皆無だ。
そのため、国会運営も政権運営も多難を極めるとみられるが、その前にそもそも自民党内に渦巻く不平不満を解消し、石破首相は挙党体制を築き上げることができるのか。
惨敗の結果を受けて、石破政権は早くも岐路に立たされている。
取材・文/宮原健太 集英社オンライン編集部ニュース班