与党による高齢者票の買収⁉ SNSで批判が爆発
10月27日投開票の衆議院選挙にむけた政策議論が過熱している。情勢調査では、「手取りを増やす」と現役世代向けの政策を掲げた国民民主は躍進の予想。その一方で自民党・公明党の苦戦が伝わってくる。
巻き返しを図る公明党の石井啓一代表は17日、「1世帯10万円が目安」として衆院選公約に盛り込んだ低所得者世帯向けの物価高対策給付金をアピール。
自民党もまた、低所得者への給付金支給を公約に掲げた。
低所得者と定める範囲は未定としているが、従来の政策から住民税非課税世帯が一つの基準となる。
住民税非課税世帯とは単身世帯の場合、一般的には年間の収入100万円以下が対象だが、65歳以上の年金受給者となると年金分が控除され収入155万円以下へと基準が緩和される。
仕事をリタイアした高齢者世帯が年金収入と貯金の取り崩しで生活していれば、貯蓄がどれだけあっても住民税はかからない。
こうした背景から住民税非課税世帯全体の75%は高齢者世帯であり、年齢でみると65歳以上の38%、75歳以上となればおよそ半数となる49%が「1世帯10万円」給付の対象となる見込みだ(1)。
長く政権をあずかる与党が選挙期間中に給付案を提示し支持を訴えるのは、その実現可能性の高さから野党が同じことをするのとは意味合いが違ってくる。法的には問題はないとしても、節操のない立ち回りと批判されるのは当然だ。
こういった自民党・公明党のやり方に、SNSや動画サイトでは現役世代の不満が爆発。
「また高齢者優遇の施策にうんざり」「これは税金を使った、高齢者票の買収ではないか」といった声があふれた。
事実、ここ数回の選挙では、実質の高齢者に向けての給付金が“大盤振る舞い”されてきた。
働き納税する私たち現役世代の中にマグマのようにたまった不満を黙殺し、なりふり構わず旧態依然とした票田へのバラマキに走る自民党と公明党。その思惑通りに物事は運ばれていくのだろうか。