「新世紀ミニ四駆の巻」(ジャンプ・コミックス188巻収録)

今回は、孫の大介からムチャ振りをされた大原部長が、ミニ四駆の世界に入門するお話をお届けする。

本作をお読みいただく前に、「ミニ四駆」と、部長がミニ四駆を勘違いした「チョロQ」について、ごく簡単にご紹介しておこう。

まず「ミニ四駆」とは、日本でもっともヒットした自動車玩具模型で、電動モーターを内蔵した四輪駆動自動車模型をレーン内で競わせて遊ぶもの。レース自体のおもしろさはもちろんだが、ミニ四駆には画期的な製品の魅了があった。

競争力を増すためレギュレーション内で各部品を交換・チューンナップすることによって、「自分だけの一台」を作り上げることが可能なのだ。接着剤不要で子供でも組み立てられること、交換部品の値段を抑えたこと、競技会を積極的に開催したこと……など、発売元であるタミヤのすぐれた戦略により、たびたびブームとなっている。

「疾走ミニ3駆の巻」(ジャンプ・コミックス176巻収録)より。『こち亀』作中ではミニ四駆よりも先に、パチモノ商品「ミニ3駆」が登場……
「疾走ミニ3駆の巻」(ジャンプ・コミックス176巻収録)より。『こち亀』作中ではミニ四駆よりも先に、パチモノ商品「ミニ3駆」が登場……

そして「チョロQ」はというと……タカラトミー(旧・タカラ)のミニカーだ。

車体を地面に押しつけた状態でバックさせて後輪を逆転させることで内蔵のゼンマイバネを巻き上げ、バネが緩む力を使って走行させる。その強烈なダッシュ力と、かわいらしくデフォルメされた寸詰まりの車体、そして圧倒的な低価格(発売当初の価格は350円)が人気を呼んだ。発売を開始したのが1970年代後半のスーパーカーブームのさなかだったことも功を奏したのだろう。

それでは次のページから、ミニ四駆に四苦八苦する部長のお話をお楽しみください!!