父親と家賃6万8000円の集合住宅で暮らしていた
調べによると堀江容疑者は4月11日午前11時40ごろ、同百貨店本館8階で開催中の「大黄金展」展示・即売会場でアクリル製のショーケースの中に保管されていた純金の茶碗を盗んだ疑い。金工作家の石川光一さんの手による24金製の抹茶茶碗で、販売価格は1040万6000円だった。
社会部デスクが解説する。
「現場には警備員が配置されていたものの、ショーケースは施錠されておらず、近くにいた販売スタッフが別の客に対応して背を向けている間に持ち去ったとみられます。会場には当時、客が全部で20人近くいたようです。
従業員らが茶碗がなくなっているのに気づいたのは犯行から約20分後で、午後0時16分に110番通報をしています。展示品が高価なのに警備がお粗末すぎと批判されても仕方ありませんね。警視庁が防犯カメラを分析したところ、メガネをかけた若い男がリュックサックに茶碗を入れて持ち去り、高島屋を出てから地下鉄東西線に乗って逃走したことがわかった。
13日に捜査員が防犯カメラの映像によく似た男を発見して追跡、任意同行を求めたところ犯行を自供した。しかし、堀江容疑者が180万円で売却したという江東区内の古物商店には純金茶碗はすでになく、警視庁が行方を追っています」
一見、大胆で鮮やかなプロの手口と思いきや、堀江容疑者は犯行前後や逮捕当日も同じ交通系ICカードで地下鉄に乗車し、特に変装もせず防犯カメラに映りまくり、あっさり捕まった。周到な計画性を感じさせない、シロート感丸出しの犯行だ。
本人のSNSのプロフィールや書き込みなどを見ると、北海道旭川市の出身で、埼玉県を経て江東区に転居、父親と家賃6万8000円の集合住宅に2人で暮らしているらしい。