1990年代のドラマから誕生したサバカレー缶が令和にブレイク

新商品の中でも、最も勢いがあるのがカレー味だ。

「カレー味のサバ缶が初めて登場したのは1990年代。千葉・銚子の缶詰メーカー2社が作っているだけでした。現在は8社が製造し、10種類と増えました。このままいけば、水煮や味噌煮、醤油煮と並び、定番のサバ缶になる日もそう遠くないでしょう」

サバカレー缶誕生のきっかけは、1996年放送のドラマ『コーチ』(フジテレビ系列)。かつて千葉県にあった川岸屋水産(現在は廃業)が舞台で、作中にサバカレー缶が登場し、その後、実際に商品化された。

「四半世紀以上が経って、サバカレー缶が日の目を見るというのは感慨深いですね。イチオシは『サバカリー インドカリー仕立て』(清水食品)。インド式カレーを日本で初めて発売した店の新宿中村屋がカレーを作っています。青魚特有のクセを感じさせないよう、かつお節が使われているのがポイントです」

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「サバカリー インドカリー仕立て」(清水食品) ¥300前後

インドやスリランカのフィッシュカレーには、かつお節の原型になったといわれるモルディブフィッシュが入っている。このレシピを踏襲した缶詰だけあって、クセを和らげ、スパイスとの一体感が生まれている。本場に負けずとも劣らない味だ。