大空翼の唯一無二の相方
1ボランチとなる葵には負担がかかる。どうしてもその運動量に頼らざるを得ないが、「中盤のダイナモ」の真骨頂を発揮できれば、日本のプラン通りに試合を運べる公算が高まる。唯一、高さがない点が不安だが、そこはCBの次藤と井川でカバー。絶対的守護神の若林源三が最後方に控えている安心感をもってすれば、守備陣への攻撃参加の要求も決して無茶とはいえなくなるはずだ。
両SBには早田と石崎。早田には本職の左SBから駆け上がり、二枚刃の「カミソリシュート」を使い分けることでクロスだけでなく、ゴールも狙える。そして、『ライジングサン』のドイツ戦で華麗なヒールリフト(!?)を見せた右SB石崎もオーバーラップには定評がある。展開によっては石崎に替え三杉という選択肢も。彼の秀逸なパスセンス、「ドライブシュート」は魅力だが、(治ったとはいえ)心臓への負担は考慮すべき点。ドイツ戦、スペイン戦の起用まで考えた時、この試合はガッツマン石崎がファーストチョイスになる。
この試合の中心になるのは大空翼に代わりトップ下に入る岬太郎だ。自ら「SSS」ほか必殺シュートを持ちつつ、翼との「黄金コンビ」、さらにはドリブルやパスのテクニックを駆使したゲームメイクができる。かつては『ボクは岬太郎』で描かれた姿が象徴的だったように優しさが際立っていたが、『GOLDEN-23』では一人で打開する心の強さと強引さも身に付けた。
1ボランチの葵がパサーではない分、攻撃の差配は岬がトップ下という高い位置で行うことになる。当然、厳しいマークがつくことになるが、誰かを活かすだけでなく、自ら決める“強さ”をこの試合でこそ期待したい。