渋野日向子は「厳しいでしょう」、“宮里藍の再来”が「もしかすると…」。全米女子オープンをタケ小山が展望_a
昨年の全米女子オープンで優勝を争った畑岡奈紗(左)と笹生優花 画像/Kyodo News

難コースで開催、注目の日本人選手は?

昨年は、畑岡奈紗と笹生優花の日本人プレーヤー同士(笹生は当時、フィリピンと日本の両国籍を保持していたが、のちに日本国籍を選択)のプレーオフに沸いた全米女子オープン。結果は笹生の史上最年少優勝で幕を閉じたが、日本のゴルフファンにとって、忘れられない熱狂の4日間となった。

日本勢は今大会、ディフェンディングチャンピオンの笹生、前回惜しくも敗れた畑岡をはじめ、渋野日向子、小祝さくら、古江彩佳、西村優菜、西郷真央、山下美夢有など、アマチュア2人を含む15選手がチャレンジする。

日本勢の活躍が期待される中、プロゴルファーで解説者のタケ小山氏は今年の全米女子オープンをどう展望しているのだろうか。

「今年のパインニードルズ(・ロッジ&GC)は、かなりの難コースです。松の木がたくさんあるんですが、日本の松とは違って高くて大きい。これがまず風を読みにくくします。コース設計は、スコットランドが生んだ天才コース設計家と呼ばれているドナルド・ロスなんですが、彼のコース設計の特徴は、ドーム型とか円盤状とかいわれる、お饅頭みたいな形のグリーン。トーナメントでは、このグリーン周りの芝を短く刈り込んで、コロコロとボールが止まらずに下まで落ちてしまうようなセッティングをします。6600ヤード以上と女子選手には距離も相当長いですし、バーディー合戦にはならないと思います」

渋野日向子は「厳しいでしょう」、“宮里藍の再来”が「もしかすると…」。全米女子オープンをタケ小山が展望_b
全米女子オープンを展望したタケ小山氏 撮影/一ノ瀬 伸

パインニードルズで全米女子オープンが開催されるのは、1996年、2001年、2007年に続いて今回で4回目となる。1996年はアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)、2001年はカリー・ウェブ(オーストラリア)、2007年はクリスティ・カー(アメリカ)と当然だが、優勝者にはそうそうたる実力者が名前を連ねている。

「やはり笹生は有力ですよね、パワーもあるし。畑岡も期待できると思います。彼女は去年、笹生にポロッと負けちゃって、コメントでは笹生を称えてましたけど、相当悔しかったはずです。だって、去年の開催コースだったオリンピッククラブのボールマーカーをずっと使い続けてましたから。今年に懸けて仕上げてきてると思います。

畑岡は身長こそ高くないですが、パワフルで球は飛ぶし、アグレッシブだし。仮に今回ダメでもいつかはメジャーを獲ると思いますよ。西郷もいいですね。体もしっかりしてるし。師匠のジャンボ尾崎さんからメンタルの部分もいろいろとアドバイスを受けているようです」

タケ小山氏は、やはり昨年プレーオフを戦った二人は今年も有力候補だという。