「玉ねぎ3個だけ送られても……」 議員事務所の困惑

そんな西村氏だが、周囲の議員への気遣いだけは欠かさなかったようで、毎年夏前、地元・淡路島の玉ねぎをいっぱいに詰めた段ボールを国会議員会館の各事務所に配ることを慣例としてきた。

それが、今年は様子が違っていたという。
「前年に、政治資金で大量のたまねぎを購入して配っていたと報じられたことを気にしたのか、今年はスーパーに売っているような、ネットに入った玉ねぎが3個だけ各事務所に贈られていました。3個だけ送られても、事務所のスタッフで分け合うにも足りないと、秘書さんたちが困っていました」(全国紙政治部記者)

数を激減させてでも玉ねぎを配りたかったのは、自身の今後のためだ。

「西村氏は、『Hanada』の2024年2月号で、総理をめざす上で岸田氏と違うところを問われ、『いわゆる二世ではなく(中略)苦労しながら、政治家として、地元の方々の支援を得てここまできました』『官僚の経験。行政組織がどういう力学で動くのか、身をもって体験しています』とアピールし、永田町の失笑を買っています。

もともと西村氏は車のナンバーを『2025年までに総理になる』という決意を込めて『2025』にするほど、総理の座への執念が強い。そのためにも、仲間づくりは大切。自公だけでなく、自身の地元・兵庫県でも勢力を伸ばしている維新の議員事務所にも玉ねぎを配っていました」(自民党関係者)

西村氏(本人facebookより)
西村氏(本人facebookより)

そんな努力もむなしく、首相になりたかった2025年を目前に政治生命が脅かされるほどの疑惑の渦中にいる西村氏。ただでさえ、パーティー券問題が発覚する前から地元・明石市では、全国的な知名度を誇る泉房穂前市長の衆院選立候補が取りざたされ、「泉氏に負ければ、総理どころか安倍派会長にもなれない」(自民党関係者)とささやかれてきた。

さらにここに来て、同じ安倍派で期数が近く、ライバル視してきた萩生田光一政調会長との立ち位置に微妙な差も出てきた。

萩生田氏(本人facebookより)
萩生田氏(本人facebookより)
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「派閥からのキックバックを受けていたと報じられている萩生田氏ですが、ここ5年間の事務総長経験者には入っていません。組織的な裏金づくりに関わっていた可能性が取りざたされる西村氏に比べ、傷は浅いかもしれません。

さらに今回の裏金騒動で政調会長から更迭されそうになったときに『出処進退は自分で決めたい』と岸田総理に辞表を提出したことも、『安倍派一掃を画策した総理に反旗を翻した』と受け止められ、安倍派内で評価されています。これまでは西村氏と萩生田氏のどちらかが突出するのはよくないと集団指導体制がとられてきた安倍派ですが、今後は萩生田氏が派閥の軸となっていく可能性があります」(自民党関係者)

来年の夏前、西村氏に玉ねぎを贈っている余裕はあるのだろうか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班