鉄道タレントとして再出発

――制作会社系列のプロダクションだと、自分で企画をプレゼンすることもできるんですか?

それもありますし、逆に「こういう番組できますか?」みたいにご相談をいただいて、予算をごっそり預けられるみたいなことも出てきたので、とても重責ですけど、やりがいを感じています。いまは番組の監修みたいなこともやらせていただくようになりました。

なので、どちらかというとアナウンサーの枠を超える仕事が増えてきたから、それに最大限応えられる環境に移ったというイメージなんですよね。

「鉄神様には愛されるけど、恋愛の神様がいないんですよね」。タモリ倶楽部で認められて「タモリ電車クラブ」の一員にもなった女子鉄アナウンサー・久野知美の鉄道愛_7
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――お仕事的には充実していそうですね。

めっちゃ充実してます(笑)。やっぱり、裁量権が増えたことが大きいですね。私は鉄道のほかにラジオも大好きで、特に、私よりちょっと先輩の世代でその分野を耕し、女性の活躍の場を広げてきた、ジェーン・スーさん、赤江珠緒さん、堀井美香さんのお三方を神だと思っています。

スーさんはご職業が異なりますが、堀井さんと赤江さんはアナウンサーの大先輩。それまでは“弁えてこそ女性アナウンサー”みたいなところがあったと思うんです。でも、みなさんキャラクターが輝く方なので、それを発信されて、私たち後輩たちが働きやすいようにしてくださっているなと感じています。

やっぱり、女性サイドから見るとまだまだ日本は男性優位の社会かなと思うところもあって。私の場合、通称“アナマネ編成“と言って南田さんとセットで応援していただくことが多いのですが、本人きっかけで呼んでいただいたお仕事で共演をお願いした時や、二人三脚で営業を頑張った現場なども「南田さんからでしょ?」という見方をされがちだったかなと思うんです。

それが、所属が変わったことで、ようやくいち鉄道タレントとして独立した見方をしてもらえている実感があります。いまは裁量権を持って、自分の判断でいろいろな方の役に立てるように微力ながら動けていると思うので、それがありがたいですね。私もスーさんや赤江さん、美香さんのような“闘いながら 咲く女”に少しはなれていたら、嬉しいなと思います。

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「鉄神様には愛されるけど、恋愛の神様がいないんですよね」。タモリ倶楽部で認められて「タモリ電車クラブ」の一員にもなった女子鉄アナウンサー・久野知美の鉄道愛_8
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後編はこちらから

取材・文/森野広明  撮影/井上たろう 衣装協力/ATTRANGS・STYLIA